ビル・ゲイツ氏、スティーブ・ジョブズ氏を「魔法使い」と絶賛

ビル・ゲイツ

スティーブ・ジョブズ ビル・ゲイツ
 
Appleの創業者スティーブ・ジョブズ氏とMicrosoft創業者のビル・ゲイツ氏は、ともにテクノロジー業界を語る上で欠かすことのできない不世出の人物です。時にライバルとして火花を散らすこともありましたが、ゲイツ氏はジョブズ氏の経営者としての手腕を高く評価していたようです。

奇跡の復活を遂げたApple

ビル・ゲイツ氏はCNNの番組「Fareed Zakaria GPS」に出演し、一時は経営危機に瀕していたAppleを復活させたスティーブ・ジョブズ氏を「魔法使いのようだ」と褒め称えました。
 

彼が呪文を唱えていたおかげで、自分は大したことのない魔法使いのようだった。みんなが魅了されているのを目にしたよ。でも自分だって魔法使いの端くれだったからね。彼の呪文は自分には効かなかったんだ(笑)

 
スティーブ・ジョブズ氏が復帰する直前のAppleは「何もしなければ3カ月で破綻する」とまで言われている状況でした。それが今では時価総額1兆ドル規模の企業なのですから、ビル・ゲイツ氏が絶賛するのも頷けます。人を見抜く才能や、物の善し悪しを見分けるデザインセンスという点で、ジョブズ氏に匹敵する人物には未だ会ったことがない、と称賛を惜しみませんでした。
 
ゲイツ氏は「失敗したときでさえ、彼は成功していた」と述べ、Appleを追い出されたジョブズ氏が手がけたNexTのコンピュータにも言及しています。「まったくもって失敗だった。ナンセンス極まりないものだった。それでも彼はみんなを魅了したんだ」。1988年に華々しく登場したNeXT Coumputerは商業的に失敗したものの、先進的な機能やデザインは多くの熱狂的ファンを生み出しました。
 
長きに渡る商売敵でもあったからか、時にはジョブズ氏のことを冗談めかして「クソ野郎(asshole)」と呼ぶこともゲイツ氏は憚りません。それでも、ジョブズ氏の駄目な部分を真似するのはとても簡単だとしながらも、リーダーが見習うべきは彼が粘り強さと共にもたらす「信じられないほどのポジティブさ」だとゲイツ氏は力説しています。

切っても切れない2人の縁

ビル・ゲイツ氏がAppleに言及するのは今回が初めてではなく、昨年には高利益を上げるAppleのことを「素晴らしい企業」と述べたほか、最近もスマートフォンOSの分野でGoogleではなくMicrosoftこそがAppleの対抗馬になっていれば、と悔しさを滲ませています。
 
2016年にはジョブズ氏とゲイツ氏の関係をブロードウェイ・ミュージカルにする計画も浮上したように(上演は中止)、2人はテック業界の勃興を生み出した当事者同士として切っても切れない縁なのです。
 
 
Source:Bloomberg via 9to5Mac
Photo:Flickr-Joi Ito
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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