Appleのサービス事業、今後困難が待ち構えている?


 
Appleサービス事業には、Apple Music、App Store、iCloud、iTunes、Apple Pay、AppleCare、ライセンス契約、マップ、Siriなどが含まれますが、今後いくつかのサービスの収益モデルに大きな変化が起こる可能性があると指摘されています。

持続的な成長を見せているサービス事業

Appleサービス事業は、ここ数年間成長し続けており、年間の収益は2015年の190億ドル(約2兆967億円)から、2018年には370億ドル(約4兆830億円)以上にまで上昇しており、Morgan Stanleyは、2023年までに1,000億ドル(約11兆387億円)に達すると予測しています。
 
しかしながら、巨大化するAppleのサービス事業の運営方法に対して異議を唱える企業が現れるなど、収益モデルの在り方が今後大きく変わる可能性がある、とSeeking Alphaは指摘しています。

Googleとのライセンス契約

GoogleはApple製品の標準検索エンジンであるために2018年に95億ドル(約1兆500億円)を支払っていたことがわかっており、ライセンス料金は今年120億ドル(約1兆3,251億円)にまで跳ね上がるといわれています。
 
しかしながら、プライバシーの重要性を強調するAppleと、ユーザーデータを元に得る広告収入が主な収入源のGoogleとの間でプライバシーの在り方をめぐる対立が起っているとされており、今後ライセンス契約が解消される可能性がある、とSeeking Alphaは指摘しています。

SpotifyによるAppleの提訴

音楽ストリーミングサービスSpotifyは、Appleを独占禁止法違反で欧州委員会に提訴しており、Appleを「独裁者」と呼ぶなど、App Storeの運営方法の在り方をめぐって議論が過熱しています。
 
Spotifyは、AppleがApp Storeに対して持つ支配力を利用して自社サービスに不公平な利益を与えていると主張しており、App Storeに掲載されるアプリ内課金のマージンをゼロにすることを求めています
 
もしこの訴えが通れば、今後Netflixなども同様の権利を要求する可能性があるといわれており、App Storeの収益モデルが崩されかねません。
 
また、セキュリティ対策ソフトウェア開発・提供のKaspersky LabもAppleのApp Storeの運営方針は独占禁止法に反するとしてロシアの連邦反独占庁(Federal Antimonopoly Service、FAS)に訴えています
 
Appleはサービスごとの収益は公開していませんが、App Storeはサービス事業の中で最も多くの利益を上げているといわれています。
 
 
Source:Seeking Alpha, The Verge
Photo:Apple
(lexi)

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