iPhoneのチップ供給行うTSMC、情報漏えいで元従業員逮捕

最新技術で消費者の目を惹きつけたいスマートフォン業界のみならず、企業において情報の流出は死活問題です。Appleのチップ供給を手がけるTSMCで、元従業員が情報をライバル企業に売り渡していたことが分かりました。
すでに犯人は逮捕済
「A〜」シリーズで知られるiOS製品のチップは現在、台湾企業のTSMCがほぼ独占的な供給を行っています。
SamsungやIntelといったライバルファウンドリの追随を許さず、最近もいち早く7nmプロセスでの製造技術を確立したと報じられました。チップメーカーにとっては、いかに他社よりも早くプロセスルールを微細化(nmの値を下げる)して、コスト低減や高集積化を図るかが鍵となっています。
ところが、サプライヤー事情に詳しいDigiTimesによると、TSMCの元従業員が16nm/10nmプロセスや関連設備に関する機密情報を盗み出し、新たな就職先であるライバル企業HLMC(Shanghai Huali Microelectronics)に売り渡していていたことが発覚しました。すでにこの従業員は逮捕されています。
Appleも情報漏えいは少なくない
今回問題が発覚したのはTSMCですが、Appleも決して他人事ではありません。
Appleの社内ブログによると、2017年だけで29人もの関係者による情報漏えいが発覚、うち12人が逮捕されています。また、iPhone Xの発表直後には、従業員の娘がユーチューバーとして無断でApple本社から発売前の実機レビューを行い、父親が責任をとって解雇されるという出来事も話題になりました(すでに動画は削除済)。
Source:DigiTimes
(kihachi)