Apple、苦戦するインドでのiPhone販売を立て直しへ

    iPhone SE Apple

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    Appleは、シェア1%と苦戦しているインドでのiPhone販売立て直しに本腰を入れます。販売代理店の整理、直営店Apple Storeの出店などが計画されていますが、まだ課題も残されています。

    苦戦が続くインドでのiPhone販売

    iPhoneインドのスマートフォン市場でわずか1%のシェアしか取れず、苦戦が続いています。
     
    先日、Appleのインド法人を取り仕切るミシェル・コローン氏は、販売・マーケティング部門の責任者3人を退職させ、インドでのiPhone販売立て直しに取り組んでいると、複数のApple関係者から得た情報としてBloombergが報じています。

    祝日限定の特別価格をいつでも適用

    iPhoneは、インドで2014年から2017年にかけて販売台数を増やしてきましたが、2018年の販売台数は、2017年の6割程度にとどまる見通しです。
     
    スマートフォンの平均販売価格が10,000ルピー(約16,000円)というインドのスマートフォン市場では、インド国内で製造し低価格を実現しているiPhone SEとiPhone6sですら、平均的なスマートフォン販売価格の約2倍と、高価になっています。
     
    Appleが約2年前のiPhoneを高値で販売している一方、ライバル企業は最新モデルを低価格で販売してiPhoneのシェアを奪っています。
     
    そこでAppleは、ホリデーシーズン向けの特別価格を通年で適用するなどの値引き販売を計画していると伝えられています。

    現在の販売代理店との関係見直し

    現在、インドでのiPhone販売は、現地資本の販売代理店頼みです。各販売店には、現在の約4倍となる週40〜50台というiPhoneの販売目標を課し、目標を達成できない状態が続く販売代理店との契約を解除することで、iPhoneの販売に力を入れてくれる代理店を残す計画です。
     
    また、販売スタッフが来店客に、iPhoneのの使い方を教えられるよう、従業員教育も強化する方針です。

    2019年に3店舗のApple Store開店を計画

    希望が持てるのは、かねてからの悲願である直営店、Apple Storeの開店です。
     
    インド政府は、製品を構成する部品類の30%以上がインド国内で製造されていないと外国企業の直営店設置を認めない政策をとっており、Appleにとって大きなハードルとなっていました。
     
    しかし、インド政府は今年に入って、企業がインド国内からの購買を行うことを条件に、「30%ルール」を緩和する方針と報じられています。
     
    Appleは、2019年にもニューデリー、ベンガルール、ムンバイの3都市への直営店の開店を計画しています。
     
    インドでは、販売店が突然理由もなくiPhoneの販売価格を変動させることが時々起きるため、消費者はまた価格が下がるのではないかと「様子見」することが多くなっています。
     
    販売価格を厳格にコントロールできる直営店なら、そうした問題も起きません。

    利用できる機能で出遅れるiPhone

    インドのiPhoneユーザーからは、Appleのマップではナビゲーション機能が使えないこと、Siriがインドの言語に対応していないこと、Apple Payがインドでは利用できないことへの不満も寄せられています。
     
    Appleはインド国内に地図開発拠点を設けましたが、現在のところ開発の中心はインド以外の国々の地図が中心となっており、Googleマップに大きく差をつけられています。
     
    また、インドの言語への対応でも、GoogleとAmazonに完全に先を越されてしまっています。

     
     
    Source:Bloomberg
    (hato)

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