Apple、インドで苦戦中。iPhoneのシェアは2%、責任者が相次いで退職

    iPhone SE Apple

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    Appleがインド市場でiPhoneの販売に苦戦しています。2018年前半の販売台数は100万台を下回り、通年でも前年割れと見込まれています。最近は、販売関連部門の要職者が相次いで3人退職するなど、販売部門は混乱状態にあると報じられています。

    Appleインド、3人の販売・営業の責任者が相次いで退職

    Appleのインドにおける販売・流通、法人営業、そして携帯キャリア営業の、主要3部門の責任者が最近数週間で相次いで退職した、とBloombergが報じています。
     
    退職者3人のなかでも、2017年12月に入社したばかりのマイケル・コーロン氏は、携帯キャリアの販売部門での豊富な経験を活かすことが期待されていたものの、市場の開拓に手こずっていた、と関係者は述べています。
     
    また、Appleはインド市場を理解するのにも苦労していて、販売現場の混乱を招いたとも言われており、現在、販売部門では組織の再構築(リストラ)が進行中と伝えられています。

    インドでのiPhoneのシェアはわずか2%

    インド国内でiPhoneを製造して関税の影響を回避しているとはいえ、多くのインド国民にとってiPhoneは高嶺の花です。
     
    そのため、インド国内でのスマートフォンの売れ筋はXiaomiやSamsungの低価格モデルが中心となっており、インドのスマートフォン市場におけるiPhoneのシェアは約2%にとどまります。
     
    市場調査会社Counterpoint Researchによると、2017年にインド国内で販売されたiPhoneは320万台にとどまり、2018年前半では100万台にも満たないと推測されています。
     
    2018年後半に新モデルが出れば、例年どおり販売は上向くものの、それでも2018年の販売台数は2017年を下回るだろう、とCounterpoint Researchのネイル・シャー氏は予測しています。

    相次ぐインド国内への投資も「まだ不十分」

    Appleは2017年にアプリ開発者支援施設を設置したほか、地図の研究開発拠点を設置し、インド国内で製造したiPhoneの販売も開始しています。
     
    しかし、Appleはインド国内への投資をもっと増やす必要がある、とシャー氏は指摘しています。
     
    相対的に小さな市場であるインドにAppleが十分な関心を払わないと、ユーザーはAndroidスマートフォンに流れてしまい、Appleがユーザー基盤を築くのが難しくなる、とシャー氏はAppleの置かれた状況を分析しています。

     
     
    Source:Bloomberg
    Photo:Apple
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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