Apple、高効率の動画ファイル圧縮規格推進の業界団体に加盟

Apple Alliance for Open Media

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Appleが、高効率な動画圧縮ファイル形式の策定を進める業界団体に加盟していたことが判明しました。新規格は、現在iPhoneやMacで採用しているHEVC規格よりもファイルサイズが25%から35%程度、小さくなる見込みです。

AmazonやGoogle、Facebookが名を連ねる業界団体

Appleが、動画ファイルを効率的に圧縮できる規格「AV1」の策定を進める業界団体、Alliance for Open Media(AOM)に、いつの間にか「創設メンバー」として加わっていたことが分かった、と米メディアCNETが報じています。
 
2015年に活動を開始したAOMの創設メンバーには、Amazon、ARM、Cisco、Facebook、Google、IBM、Intel、Microsoft、Mozilla、Netflix、NVIDIAと、現在のテクノロジー業界の中心的役割を担う企業が名を連ねており、Appleは突如、この中に加わりました。

「AV1」でファイルサイズは25%〜35%減

AV1は、インターネットでの配信に最適化され、圧縮効率を高めながらもスペックの低いコンピュータでも扱いやすいのが特徴です。商業目的の動画だけでなく、一般ユーザーが撮影・公開するようなコンテンツも対象として想定されています。
 
現在、iPhonemacOS High Sierraで採用されているHVEC(別名H.265)形式よりも、ファイルサイズが25%から35%程度小さくなると見込まれています。
 
2023年には、世界のモバイルデータ通信の75%は動画になる、と予測されている中、高効率の圧縮形式の必要性が高まると見込まれます。

新ファイル形式を支援する姿勢の表れ?

Appleは2017年にApple TV 4Kを発売し、4K HDR画質での映像配信を開始していますが、高解像度の動画ファイルは、配信するApple、受信するユーザーともに大きなストレージが必要となるばかりか、通信設備にも負担がかかります。
 
CNETは、AppleのAOM加盟についてコメントは得られていないものの、「創設メンバー」としての加盟は、新ファイル形式を支援する強いメッセージの表れだろう、と述べています。

Apple Musicでの独自番組配信と関係も?

Appleは、Apple Musicで独自の映像コンテンツ配信に向けてスティーブン・スピルバーグ監督の「世にも不思議なアメージング・ストーリー」のリメイク権を獲得したほか、映像ビジネスに豊富な経験を持つ多くの人材を獲得しています。
 
なお、Appleは2017年2月、ワイヤレス充電規格「Qi」の業界団体に加盟した後、同規格をベースにしたワイヤレス充電方式を採用したiPhone XやiPhone8/8 Plusを発売しています。

 
 
Source:CNET, Alliance for Open Media
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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