ジョナサン・アイブ氏「iPhone Xは何年も熱望したデザイン」

ジョナサン・アイブ氏 インタビュー

ジョナサン・アイブ氏 インタビュー

 
Appleの最高デザイン責任者、ジョナサン・アイブ氏が、米ワシントンD.C.のハーシュホーン博物館で開催されたイベントと雑誌SMITHSONIAN MAGAZINEで、自身のデザインとの関わり、スティーブ・ジョブズ氏との関係などについて語りました。

Appleの最高デザイン責任者、ジョナサン・アイブ氏

ジョナサン・アイブ氏は現在、最高デザイン責任者として、ハードウェアだけでなくソフトウェアや店舗など、Appleのデザイン全てを統括する立場にあります。
 
イギリスのロンドン郊外で生まれ育ったアイブ氏は、大学でデザインを教える銀細工職人の父から、絵を描いたり物作りをすることの喜びを教えられて育ちました。
 
当時のことをアイブ氏は「デッサンは、単に絵を描くことではなくて、自己表現そのものだった」と振り返ります。
 
なお、アイブ氏の経歴については、以前ご紹介した書籍「ジョナサン・アイブ」にも詳しく記されています。

iPhone Xのデザインは「何年も熱望」

アイブ氏は、iPhone Xのフルスクリーンデザインについて、「何年間も熱望していたもの」と語っています。
 
同氏は別のインタビューで、iPhone Xは5年前から開発が進められていたことを明かしているほか、顔認証のFace IDについて、「開発にあと2年かかっていたかもしれない」と語り、非接触でユーザー認識できることで、端末がシンプルになり堅牢性を高められることをメリットとして挙げていました。
 
iPhone Xについては、発表前に数多くの噂が飛び交いましたが、アイブ氏はインタビューで、Appleに関する噂について「少ない事実に基づく、クリック数稼ぎのための多くの中身のない文章」と語り、毛嫌いしていることも明かしています。

初代Apple Watchのミスを認める

2015年に発売された初代Apple Watchは、動作のもたつきや、インターフェイスの使い勝手などに各メディアやユーザーから批判が集まりました。
 
しかし、Apple Watchは使い勝手を改善し、2017年9月に発売されたApple Watch Series 3は、通話機能を搭載したことでも注目を浴び、新規ユーザーの獲得に成功しています。
 
アイブ氏は「私たちも、常に正しいことができているわけではありません」と、フィットネストラッカーとしての用途を前面に打ち出した初代Apple Watchの戦略ミスを認め、「デザイナーは常に学び続けなくてはいけません」と、製品を進化させ続けるための努力の必要性を語っています。

スティーブ・ジョブズ氏の哲学はAppleに生き続ける

アイブ氏と親交の深かった故スティーブ・ジョブズ氏の哲学は、Appleが存在する限り存在し続けるだろう、と語っています。
 

「スティーブの影響力、彼の信念、Appleを通じた文化そして世界への巨大な貢献は無くなった」と語る時代が来ることは想像もできません。
 
もし、そんな時代が来たら、それはAppleではないし、私たちはAppleの社名を変えるべきでしょう。

 
 
Source:SMITHSONIAN MAGAZINE, AppleInsider, 9to5Mac
(hato)

 
 

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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