Appleは新製品をいつになったら出荷できるのか?HomePodは一つの例にすぎない

Apple ティム・クックCEO WWDC 17

Apple ティム・クックCEO WWDC 17
 
Apple新製品の出荷遅れや新サービス開始の遅延は、同社の顕著な傾向として認識されつつあります。

HomePod、Apple Pay Cashなど、続く出荷・サービス開始遅れ

最近では、来月に出荷が予定されていたスマートスピーカーHomePodの発売遅延が発表されました。これにより、Appleはホリデーシーズンというデジタル機器販売の書き入れ時を逃すことになります。
 
HomePodはあくまでひとつの例であり、その他にも出荷遅れ、サービス開始の遅延がみられるApple製品はいくつも存在します。
 
Apple Pay Cashは、iPhoneユーザー同士がメッセージアプリを介してお金の送受金ができるサービスです。今年の6月にHomePodと同時に発表されたあと、9月にiOS11と同時にサービス開始予定でしたが、11月7日の一般登録テスター向けに公開されたiOS11.2パブリックベータ2でようやく利用可能となりました。
 
その他にも、9月12日の新作iPhoneの発表とともに即時利用可能となる予定だったtvOSのAmazonプライムビデオアプリや、複数のAppleデバイスを同時にワイヤレス充電できるAirPowerなど、発表されたものの未だに出荷・サービスが始まっていないApple製品は数多く挙げられます
 
iMac Proは、今年6月に開催されたAppleの開発者会議で発表され、来月12月にようやく発売となるようです。

発表は早めに行ない、出荷を遅らせるのは戦略なのか?

最近観測されている新製品を早めに発表し、出荷が遅れるAppleのトレンドですが、その原因は定かではなく、同社はそのことについてコメントを控えています。
 
考えられる原因のひとつとして、Appleのティム・クック氏が最高経営責任者(CEO)に就任したことが挙げられるとBusiness Insiderは分析しています。
 
クック氏は元々、Apple製品を予定通りに出荷できるようパートナー企業、サプライヤー、工場の間を取り持つ最高執行責任者(COO)を務めていたことで知られています。
 
クック氏がCEOへと出世したあと、COOに後任したジェフ・ウィリアムズ氏の働きぶりがクック氏ほど芳(かんば)しくないのではないかとの意見があります。
 
新製品の出荷遅れはトラブルではなく、むしろAppleの戦略のひとつではないかという見方もあるようです。
 
早めに新製品を発表することで、他社の新製品の売上を抑える効果があるともいわれています。クリスマスにAmazon EchoやGoogleのスマートスピーカーを買わずに、Apple製品が出るのを辛抱強く待とうというAppleユーザーがいてもおかしくありません。
 
その他の可能性として、投資家からの期待に応えたいという側面もあるとみられています。新しい製品やサービスを次々と発表することでイノベーションが社内で常に起こっていることをアピールできるからです。

出荷が遅れることで生じる弊害は免れない

それでもやはり新製品の出荷が遅れることに諸手を挙げて喜ぶユーザーは基本的にいないと考えられます。
 
Appleが得意とする、ハードウェアを自社サービスと強く結びつける戦略は、ハードウェアの出荷が遅れていては成り立ちません。
 
例えば、スマートスピーカーHomePodではシームレスなApple Musicのストリーミングが可能になる予定ですが、ハードウェア自体の出荷が遅れることで、ユーザーはSpotifyなどの他社サービスを利用できるAmazon EchoやGoogleのスマートスピーカーへと流れてしまうかもしれません。

iPhone Xで予定通りに出荷できることを証明

発売前から3Dセンサーモジュールの生産遅延など、出荷遅れが取り沙汰されていたiPhone Xですが、予定通り11月3日に発売されました。
 
iPhone Xは、11月10日時点で出荷待ち日数は3〜4週間へと縮小されるなど、クリスマスギフトとして間に合う可能性も大いに出てきました。
 
Appleの新製品の出荷遅れの原因はさておき、ユーザーの心離れだけは避けたいところでしょう。
 
 
Source:Business Insider
Photo:Fortune
(lexi)

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