Samsungにとって、Galaxy S8よりiPhone Xの方が部品供給で儲かる?

    iphone x galaxy s8

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    皮肉なことにSamsungにとって、自社が提供するGalaxy S8よりも、AppleのiPhone Xから得られるパーツ収益の方が、40億ドル(約4,400億円)ほど多くなる見通しであることが分かりました。SamsungiPhone Xのパーツのうち、ディスプレイのほか、複数のチップ、バッテリー、コンデンサーなどを供給しています。

    1台あたりの利益はGalaxy S8だが

    調査企業Counterpointsによると、11月3日の発売から20カ月でiPhone Xは、計1億3,000万台が売れる見通しです。一方で、4月に発売されたGalaxy S8は、20カ月で5,000万台になるとのことです。
     
    スマートフォン販売だけでなく、パーツのサプライヤーとしても名を馳せるSamsungにとって、iPhone X1台が売れるごとに約110ドル(約12,100円)のパーツ収益が上がるため、1億3,000万台が売れると、143億ドル(約1兆5,730億円)が懐に入る計算です。対して、Samsung自身が販売するGalaxy S8は、1台売れるごとに202ドル(約2万2,200円)となり、5,000万台売れることで、101億ドル(約1兆1,110億円)が手に入ります。
     
    つまり、Samsungにとって、1台あたりから得られる収益はGalaxy S8の方が多いものの、売れる台数が違うので、最終的にはiPhone Xにパーツを供給する方が儲かってしまう、というわけです。
     
    もちろん、SamsungにはGalaxy S8以外にもGalaxy Note 8というフラッグシップモデルがありますし、AppleにもiPhone8/8 Plusが存在するので、最終的にSamsungが自社端末とApple向けの端末で得られるパーツ収益は変わってきます。また、あくまでも今回は純粋にパーツ収益のみの試算です。

    Appleも依存体制からの脱却へ

    この事例ひとつとっても、いかにAppleがSamsungに大きく依存しているかが分かるというものでしょう。
     
    事実、iPhone Xより搭載される有機EL(OLED)ディスプレイは、Samsung以外が量産体制になかったことから、同社の独占供給となりました。競争相手がいなかったためにコスト増を招き、これがiPhone Xの価格が上がった一因となったとも言われています(もともとOLED自体が高いのもありますが)。
     
    こうしたことから、Appleは近年、サプライヤーを分散して競争させるか、あるいは自社開発する方針へと切り替えつつあります。実際、AppleはSamsungのライバルであるLGのOLED生産工場に巨額の出資を行っていることも分かっています。
     
     
    Source:WSJ,MacRumors
    (kihachi)
     
     

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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