Apple、「iPhoneでFMラジオ受信」ができない理由を説明
iPhoneのチップには他のスマートフォンと同様にFMラジオ受信機能があるのだから、Appleはその機能を利用可能にすべきだ、という議論がアメリカで盛り上がっていることをお伝えしましたが、Appleが最新のiPhoneに搭載されているチップは、FM受信に対応していない、と説明しています。
米で「iPhoneでFMラジオを聴けるようにすべき」議論
8月から9月にかけて、アメリカ南部に連続して上陸し甚大な被害をもたらした大型ハリケーンによる災害を受け、「緊急情報を入手するために、iPhoneでもFMラジオを受信できるようにするべきだ」との議論が盛んになっているとお伝えしました。
しかし、Appleは、米メディアiMoreに対し、現在のiPhoneではFMラジオが聴けないことを説明しています。
「iPhone7もiPhone8もFM受信に非対応」
Appleによる説明は以下のとおりです。
私たちは、お客様の安全をとても大切にしています。緊急時については特にです。そのため、製品に安全に役立つ最新の機能を盛り込んでいます。
お客様は、緊急通話やメディカルIDをロックスクリーンから利用することも可能ですし、政府による気象や行方不明者に関する緊急情報も受信可能にしています。
iPhone7とiPhone8には、FMラジオに対応したチップを搭載しておらず、アンテナもFMラジオを受信するようには設計されていません。
FMの受信には設計段階からの厳密な検証が必要
Appleは今後の対応の可能性については言及していませんが、2016年発売のiPhone7以降、現在発売されているモデルでは、FMラジオを受信することは不可能のようです。
FMラジオが聴けたiPod nanoのように、イヤホンのコードをアンテナがわりにすることも、iPhone7でイヤホンジャックが廃止され、AirPodsなどのワイヤレスイヤホンが普及しつつある状況では難しいかもしれません。
FMラジオの受信を実現するためには、単純にスイッチをオンにするだけでは不可能で、ラジオの電波を受信することが、携帯電話回線、Wi-Fi、Bluetooth、NFCなどに影響を及ぼさないか、設計の段階から厳密に検証を行う必要があります。
iMoreは、「残念ながら、政治家たちは最新の技術情報に基づかずに批判を繰り広げているかもしれない」「今は、そのエネルギーは被災地の復興のために振り向けられるべきだろう」と指摘しています。
(hato)