iPhone Xの原価は約45,500円?従来モデルよりAppleのマージンは減少か
iPhone Xの価格は、iPhone史上最高となる112,800円(999ドル)です。美しい有機EL(OLED)ディスプレイ、最先端のセキュリティー機能であるFace ID(顔認証)、スマートフォン最高峰のデュアルカメラなど、革新的なデザインや技術が集結した端末であるだけに、このような価格となってしまうのも無理はないでしょう。事実、前モデルのiPhone7から、原価は約83%も増加しています。
トップはやはりOLEDディスプレイ
※ここで取り上げる原価はあくまでも非公式の試算であり、人件費や開発費、組立費、宣伝費、輸送費等、部品コスト以外の諸費用は一切含まれていません。
中国SNSの微博で公開された、BOM(部品表)コストを示したリストによると、iPhone Xの原価総額は412.75ドル(約45,560円)だそうです。
構成パーツの中で最も高額なコストを計上しているのは、iPhone Xより新たに採用されたOLEDディスプレイで80ドル(約8,830円)です。
iPhone8/8 Plusや、それ以前のモデルに採用されている液晶ディスプレイ(LCD)に比べると、OLEDはバックライトを必要としないため薄型化・軽量化が見込めるほか、色彩の豊かさや省電力を実現している点が強みです。ただし、元よりコストが掛かることに加え、今回はSamsungの独占供給となったことなどから、iPhone7に採用されていたLCDの43ドル(約4,750円)から、約86%ものコスト高となってしまいました。
次にコストを要したのが、外観=曲面ガラス(18ドル:約1,980円)と、ステンレススチールの筐体(35ドル:約4,190円)です。こちらも、これまでにないデザインを採用したため、iPhone7の18.20ドル(約2,000円)から、一挙に大幅高となりました。
その一方で、最新MacBook Proよりも処理能力が高いと噂されるA11 Bionicチップは、前モデルのA10 Fusionチップ(26.90ドル=約2,960円)とほぼ変わらずの、26ドル(約2,870円)に維持されています。
iPhone7よりもマージンが抑えられている?
iPhone Xの412.75ドルという原価総額は、iPhone7の224.8ドル(約24,810円)より約83%も高い数字です。
ところが、実際の販売価格で比較すると、iPhone7が32GBモデルで649ドル(72,800円:発売当初)であったのに対し、iPhone Xは64GBモデルで999ドル(112,800円)と、約54%高に抑えられています。
このことから、AppleはiPhone Xで得られるマージンを、価格戦略の観点で従来モデルに比べ、意図的に抑えている可能性があります。
以前、Fortuneのインタビューに対し、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「高いマージンを追求して製品を作っているわけではない」と強調していましたが、早速iPhone Xで実証してみせたということでしょうか。
Source:腾讯数码
(kihachi)