Apple、Fortuneの「世界を変える企業」ランキングで3位
経済専門誌Fortuneによる「Change the World(世界を変える)」企業ランキングで、Appleが3位にランクインしたことが分かりました。医薬品企業のGSKや水を取り扱う企業IDE Technologiesがランクインしていた2016年とはメンバーが様変わりしていますが、ビジネス戦略において社会的にポジティブな影響を与えている企業のリストとされています。
3つの尺度からランキングを作成
対象となるには、年間の収益が10億ドル(約1,000億円)を超える企業であることが条件です。ランキングは、Fortuneの編集者が「社会的な影響」「ビジネスの結果」「発明の程度」の3つの尺度から独自に算出したスコアに基づいています。
Appleがランクインした理由は、主に「企業コミュニティーにおいて、いかにして自らの社会認識と立場を世界に投影するかという見地から変貌を遂げた企業」であることが評価されたことによります。
特に最高経営責任者(CEO)の座が、スティーブ・ジョブズ氏からティム・クック氏に移行して以来、Appleは福祉や教育、環境保護、人権保護といった取り組みへ積極的に関わってきました。例えば、赤いApple製品ことPRODUCT(RED)シリーズは、収益の100%がHIV/AIDSなどの対策基金に寄付されています。
こうした取り組みは「Appleは商品を通して世界を変えてこそだ」というティム・クックCEOの理念にも相通じるものがあるのでしょう。「それなしでは創ったり、学んだり、教えたり、遊んだりできないような道具としての製品を、我々は人々のために作るんだ」
Fortuneの容赦ない質問にも
ちなみに、さすがは世界的な経済専門誌とも言うべきか、同時期に公開されたFortuneのティム・クック氏へのインタビューが、ありがちな阿諛追従(あゆついしょう)に終わらないのも面白いところです。
Fortuneはティム・クック氏に対して「Appleは皆が使えるように製品を作っているとは言うが、そのビジネス戦略は、高価格で高い利益率を確保し、ハイエンドモデルを売るというものだ。これこそ、Appleが世界で最も価値のある企業になっている理由ではないのか」と、容赦のない質問を浴びせます。
これに対し、クック氏は「高い利益率なんて言葉は使いたくないし、我々よりもっと高い利益率を確保している企業はたくさんある。我々は、製品の価値に値段をつけているのであり、世界最高の製品を作ろうと努力している」と反論。
現在ではiPadが300ドル(約33,000円)以下で買えるという事実や、数十億台のApple製品を人々が手に取っていることを指摘し、もし金持ち向けに作っていたらこれほど受け容れられてはいないだろう、と人々が価格に納得している点もしっかりと強調していまます。
Source:Fortune,Fortune-Change the World
(kihachi)