Face IDでは黙秘権が使えない!?パスコードがまだ時代遅れでない理由

    Face ID

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    iPhoneの認証システムは、あらかじめ設定した暗証番号を入力するパスコードから始まり、指紋認証機能であるTouch IDへと発展を遂げ、iPhone XでのFace IDの導入にいたりました。どのシステムも本人認証を行う点では同じですが、法的な観点から見た場合、パスコードと、Touch IDおよびFace IDは、情報の扱われ方が大きく異なるようです。

    Face IDも生体認証データでロックを解除

    Appleが12日に発表したiPhone Xの新機能であるFace IDは、30,000もの赤外線ドットスキャナーを通して得た情報を、ニューラルネットワークを使って解析することで本人認証を行う技術です。
     
    Face IDは、Samsung Galaxy S8/S8+に搭載されている虹彩認証とは異なり、輪郭の3D画像で認証を行います。輪郭は人間の頭部の形で決まり、頭の形は人それぞれ大変ユニークであるため、完全一致する可能性は100万人に1人と限りなく低くなります。
     
    Touch IDの5万人に1人の一致率に対し、ケタ違いの精度を誇るFace IDですが、法的には生体認証データを使用する点でTouch IDと扱いは同じになると見られています。

    緊急事態には法的に有利なパスコード

    一見時代遅れに見えるパスコードは、法執行機関からデバイスへのアクセスを求められるような緊急事態には、生体認証データを扱うTouch IDやFace IDに比べて、法的に有利であると言われています。
     
    米国では「自己負罪拒否特権」(日本でいう黙秘権)によって、iPhoneのパスコードを明かすことは強制されなかったものの、指紋などの生体認証データは物的証拠として採取され、デバイスのアクセスに使用された事例がいくつかあったとのことです。パスコードは、法的には頭の中にある情報として黙秘権を行使できたためだと言われています。
     
    iOS11では緊急事態にTouch IDを一時的に無効化できる機能が追加されましたが、Face IDにも、特定の表情を作らない限りロックを解除できないような緊急事態モードがあるといいかもしれません。
     
     
    Source:The Verge
    (lexi)
     
     

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