EUではWebサイトからiOSアプリの直接配布が可能に
Appleは12日、開発者サイトのニュースとアップデートで、欧州連合(EU)域内においてのみWebサイトからアプリを直接配布できる「Web Distribution(Web配布)」を今春開始すると発表しました。
特別なAPIを使用してWebサイト経由でアプリを直接配布
EU限定のアプリのWeb配布の開始に向け、Appleは特別なAPIへのアクセスを提供するとのことで、それを使用すると、システム機能の統合、ユーザーアプリのバックアップと復元などが容易に行えるようになるとのことです。
Webサイト経由で配布されるアプリは、公証要件を満たす必要があり、開発者がApp Store Connectに登録したサイトのドメインからのみインストールできるようになっています。
アプリをWebサイトからダウンロードするには、ユーザーは「設定」で開発者がアプリをインストールすることを承認する必要があります。承認の際、アプリ名、開発者名、アプリの説明、スクリーンショット、年齢評価などが表示されるようになっているとのことです。
Web配布の敷居は意外と高め
iOSアプリのWeb配布を行うには、Apple開発者プログラムのメンバーとして2年以上連続して在籍していること、前年度にEU域内で年間100万回以上インストールされたアプリを有していることなど、敷居は意外と高めとなっています。
Web配布されるアプリにも新たに導入されるCore Technology Fee(CTF)が課されることになっており、年間100万以上のインストール以降、1インストールごとに0.5ユーロ(約80円)を支払わなければなりません。
このCTFについては、Appleとこれまで手数料をめぐって戦いを続けてきたEpic Gamesのティム・スウィーニー最高経営責任者(CEO)も“ジャンク手数料”と批判していることもあり、今回明らかになったWeb配布に関してもまた様々な論議が噴出しそうです。
Photo: Apple/Cult of Mac