iOS18の内部ビルド「VendorUI」が配布開始?新たなリーク情報が増える可能性
Appleは最近、iOS18の内部ビルドを工場や関連ベンダーに配布し始めたというリーク情報がXに投稿されました。Appleの計画に関する正確な情報をシェアしてきた実績のある個人アカウントがXで共有した「信頼できる情報」によると、この段階のiOSバージョンは「VendorUI」と呼ばれ、アクセスは厳しく管理されているということです。
VendorUIは、工場での品質管理テスト用に設計
VendorUIは毎年リリースされるiOSの一種で、品質管理テストのために工場に配布されます。Appleが世界開発者会議(WWDC)まで公式発表しないiOSユーザーインターフェイスの試作版であるため、同社は配布先に注意を払っているということです。VendorUIには、新機能、新設定、ブランディングの変更への言及が含まれる可能性があります。同社のソフトウェアエンジニアが使用するiOSバージョンとは異なり、VendorUIでは特定のアプリが省略されていることが多く、テストに必要なアプリだけが搭載されているということです。
AppleはiOSがリリースされる度に、以下のような複数の異なるバージョンのiOSを開発します。
- Release:エンドユーザー向けの純正iOSです。
- InternalUI:Appleのソフトウェアエンジニア向けに作成され、多くの場合、未リリースおよび未発表の機能を備えたiOSユーザーインターフェイスのプリプロダクションバージョンが含まれます。
- VendorUI:工場での品質管理テスト用に設計されており、実稼働前のiOSユーザーインターフェイスの要素を含むことがあります。
- NonUI:ハードウェアエンジニアやキャリブレーションマシン向けに開発され、標準のiOSユーザーインターフェイスは備えていません。
- LLDiags:低レベルの診断での使用を意図しており、シンプルな診断メニュー(Diags)以外のユーザーインターフェイスを持っていません。
VendorUIの配布が開始され、より多くの人々がiOS18を利用できるようになったため、近いうちにさらに多くのiOS18の機能に関するリーク情報が発信される可能性があるということです。
iOS18ではアクセシビリティに新機能が登場、デザインも変更か
VendorUIが配布されるより前から、既にiOS18に関する情報は出始めており、iOS18では人工知能(AI)に重点が置かれ、アクセシビリティに新機能「適応型音声ショートカット(Adaptive Voice Shortcuts)」が登場、 「ライブスピーチ」には新しく「カテゴリ」の項目が追加されると報じられています。
そのほか、iOS18ではSiriの機能が大幅に強化され、デザインも変更される可能性があるとも伝えられています。デザインの変更に関しては、iOS18にはvisionOSのデザイン要素が導入されると予想されており、アイコンのデザインの変更も検討されているということです。
先日、Appleは電気自動車(EV)「Apple Car」の開発プロジェクトを中止する決定を下しました。同社は競合他社に比べてAIの開発で大幅に遅れをとっているため、プロジェクトを中止しAIの開発にリソースをシフトさせる狙いがあると見られています。
10年がかりのプロジェクトを断念したとあって、AppleがいかにAIを重要視しているかが分かります。また、iOS18は「史上最大」のアップデートになると予想されており、ユーザーも同社のAI技術および機能に期待していると言えるでしょう。実際、Appleが苦戦している中国では、iOS18のAI機能がiPhone売上台数回復のカギを握るのではないかとも予想されています。
iOS18だけでなく、リソースがAI開発に集中することで今後、AppleのAI技術がどのように進化していくのか期待が高まります。
Photo:MacRumors