Siriはどうなる?今後の開発方針めぐりApple社内で意見が対立

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    Siriおよび人工知能(AI)を今後どのように開発していくかの方針を巡り、Apple社内で意見が割れていると、有料サブスクリプションメディアThe Informationが伝えています。

    ■3行で分かる、この記事のポイント
    1. Apple社内で意見が割れていると、有料サブスクリプションメディアが伝えた。
    2. Siriを含むAI開発部門が機能しておらず、競合他社に遅れを取るとの懸念も。
    3. Appleの役員がSiriやAIに完璧を求めすぎることも問題だという。

    Siriの開発は遅れている?

    Open AIが開発した自然言語処理AIチャットであるChat GPTが脚光を浴びるのに伴い、MicrosoftやGoogle、AmazonなどもAI開発にさらに力を入れると表明しています。
     
    しかしAppleにおいてはSiriを含むAI開発部門が機能しておらず、このままでは競合他社に大幅に遅れを取ることになるとの懸念を、多くの社員が口にしている模様です。

    Siriの技術者がGoogleへ流出

    The Informationによれば、ジョン・ジャナンドレア氏率いるSiri開発チームが直面している大きな問題のひとつが離職率の高さです。
     
    最近もAppleは、2019年にLaserlike社を買収した際に獲得したSiri技術者3名を失いました。この3人はGoogleへ転職しています。
     
    Googleのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)が自ら3人にアプローチ、ティム・クックCEOの引き止めもむなしく、Googleへ引き抜かれた模様です。

    Siriに完璧を求めすぎる

    またジャナンドレア氏がSiri開発チームのトップに就任して以来、Siriの開発は遅々として進んでいないと、複数の元Siri技術者が証言しています。
     
    たとえば、Appleの複合現実(MR)ヘッドセット開発部門は、Siri部門が示したSiriによるMRヘッドセット制御のデモに失望、Siriではない音声コマンドで同ヘッドセットを操作する方法を検討していたこともあったそうです(最終的にはこの案は撤回された)。
     
    もうひとつの問題は、Appleの役員がSiriやAIに完璧を求めすぎることのようです。Chat GPTも含め、AIが間違った答えを返すのは「想定内」であり、その間違いを正すことで学習、進化していくものですが、複数の元Siri技術者がApple役員はこのことがを理解できていないと証言しています。
     
    たとえばSiriの回答が間違っていた場合などにユーザーが報告できるボタンを設置する案は、Appleの設計部門から何度も却下されたとのことです。

     
     
    Source:The Information via 9to5Mac
    (lunatic)

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