Appleが一時的にGitLabを香港でブロック〜中国本土の規制をさらに適用か

フリー素材

フリー素材
 
AppleがGitLab(プログラマー向けのソースコード共有サービス)を一時的にブロックしたことが分かりました。中国全土で強い影響力を持つテック企業Tencentが、GitLabをブラックリストに入れていることに準拠したものだと考えられています。

指摘があった後に復活

Apple社員のエンジニアであるChu Ka-cheong氏(@kcchu_)によると、危険な「未確認情報」を含んでいるとして、SafariがGitLabへの香港からのアクセスをブロックしました。もちろん、TencentではなくGoogleのセーフ・ブラウジングリストを適用している中国国外では、同サイトはブロック対象となっていません。
 


 
幸いにも彼の指摘に対して、Appleの現役エンジニアが「この問題を調査する」と反応、しばらくして香港からのGitLabへのアクセスは回復したそうです。

中国当局に逆らいたくないApple

しかし、Appleはなぜ中国本土の独自ルールを香港でも適用し始めたのでしょうか。これまでも同社は、デバイスの地域が中国本土に設定されている場合はTencentのセーフ・ブラウジングリストを利用してきましたが、あくまでも本土に限定されており、一国二制度が実施されている特別行政区の香港は対象外でした。
 
ニュースサイトThe Interceptの取材に対し、Appleの広報担当者はTencentに問い合わせるよう求め、Tencentはコメントを拒否している状況です。
 
Appleは以前から現地の法律に従う姿勢を表明していますが、2019年に香港で発生した大規模デモの際に、App Storeからデモ情報を共有するアプリを削除したことは物議を醸しました。中国当局のルールにおとなしく従う同社の姿勢を快く思わない米議員少なくありません。
 
トロント大学でデジタルセキュリティを専門とするジェフリー・ナックル氏は「我々が驚かされ、そして懸念している点は、香港ユーザーのためにURLをフィルタリングするにあたって、AppleがTencentとの協力を決めたことだ」と警戒感を強めます。「(他の)北米のテック企業は、中国ベースのフィルタリングを香港ユーザーに適用すべきだとする要求に抵抗している」
 
 
Source:AppleInsider,The Intercept
(kihachi)

この記事がお役に立ったらシェアお願いします

この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

特集

目次