AppleのMRヘッドセットはいつ登場?その仕様や操作性とは

Apple ヘッドセット コンセプト COMPUTER BILD, Martin Hajek

Apple ヘッドセット コンセプト COMPUTER BILD, Martin Hajek
 
Appleが現在開発中で、早ければこの春発表と期待される複合現実(MR)ヘッドセットについて、Bloombergのマーク・ガーマン記者が発売時期や仕様、操作性などについて詳細に報告しています。

早ければこの春発表

AppleはMRヘッドセットを早ければ今春発表予定ですが、スケジュールはまだ決定しておらず、6月の世界開発者会議(WWDC23)でソフトウェア開発者向けに説明が行われた後、今年後半に発売される可能性もあるそうです。

まず米国のみで発売、価格は3,000ドル

MRヘッドセットの生産は早ければ2023年2月に中国で開始され、販売は当初は米国に限定される見通しです。この初代モデルは約3,000ドルになる見込みです。初年度の販売目標台数は約100万台とのことです。
 
Appleはその後、2024年後半〜2025年前半に1,500ドル程度の廉価版MRヘッドセットの販売も予定しており、これはMetaの製品と直接競合します。

手と視線で操作可能

これまでの情報から、初代MRヘッドセットの名称は「Reality Pro」になるとガーマン記者は推測しています。
 
MRヘッドセットは複数の外部カメラを通じてユーザーの手の動きを解析、また内蔵するセンサーがユーザーの視線の動きを追跡します。これにより、ユーザーはボタンやアプリアイコンなどを「見る」だけで、ボタンを押す、アプリをクリックするといった操作を行ったり、アイテムを選択したり、入力を行ったりすることができます。
 
そして親指と人差し指でつまむ動作(ピンチ)でも、さまざまな操作が行えます。

ARとVRをDigital Crownで切り替え

Metaのヘッドセットと同様、AppleのMRヘッドセットも仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の両方に対応します。VRモードではユーザーは画像やコンテンツをヘッドセット内のディスプレイ(ソニー開発)で視聴。ARモードではデジタルコンテンツが現実世界に重なって見えます。
 
視力の弱い人がARモードを使用する時のため、Appleは度入りのカスタムレンズも提供するとのことです。
 
VRモードとARモードの切り替えは、Apple Watchが装備するのと同じようなDigital Crownで行います。

FaceTimeも搭載

MRヘッドセットはAppleデバイスではおなじみのFaceTimeも搭載、FaceTimeソフトウェアがユーザーの顔や体を仮想空間でレンダリング、アバターを作成します。
 
MRヘッドセットを装着したユーザーが互いに作成したアバター同士が、まるで同室に居合わせているかのように会話できるそうです。
 
ガーマン記者はこのアバターについて、Metaのヘッドセットによる仮想会議室でのアニメのようなアバターとは異なる、と記しています。

Macの外部ディスプレイとしても機能

AppleのMRヘッドセットは、Macと接続することにより、外部ディスプレイとして機能するそうです。つまりユーザーは仮想空間上でMacのディスプレイを見つつ、Macの物理的なキーボードやマウスを操作できるということです。
 
MRヘッドセットが搭載するOS「xrOS」(社内での呼称)では、iOSやiPadOSと同じようにSafariブラウザ、写真、メール、メッセージ、カレンダーなどのアプリも使うことができ(3D空間で)、サードパーティーアプリがインストールできるApp Store、Apple TV+、Apple MusicといったAppleのサービスも利用可能になる見通しです。
 
 
Source:Bloomberg
Photo:Computer Bild/Martin Hajek
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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