9月で10周年のLightningコネクタ、11周年を迎えられるのか?
Appleは10年前となる2012年9月、初めてLightningコネクタを搭載したiPhone5を発表しました。
つまりLightningコネクタはこの9月で10周年を迎えたことになりますが、もしかすると新製品への搭載という意味での11周年は迎えられないかも知れません。
iPodで始まった30ピンコネクタ
iPhoneが登場する前、Appleの携帯デバイスといえばiPodのみで、同デバイスは2003年以降、30ピンコネクタを搭載していました。
つまり初代iPhoneが30ピンコネクタを採用したのは自然な流れだったといえます。
Lightningコネクタの登場
そしてiPhoneの機能向上と小型化に伴い、コネクタの小型化も必要不可欠となっていきます。こうした流れのなかで登場したのがLightningコネクタでした。
Lightningコネクタは30ピンコネクタに比べ大幅に薄型。小型で、かつリバーシブルなので挿す向きを気にする必要がありません。
AppleはiPhone5でLightningコネクタを導入、その後iPad 4、初代iPad miniと採用モデルを広げていきました。
欧州でUSB-Cへの統一が決定
こうしてAppleの多くの製品に搭載されたLightningコネクタですが、来年発売見込みのiPhone15シリーズでは、USB-Cコネクタへと切り替えられるかも知れません。
コネクタの規格を統一しようという動きは2013年頃から欧州で始まりました。統一されるコネクタの候補としては、当初からUSB-Cが挙げられていました。
そして2022年6月、欧州連合(EU)の欧州委員会は、EU加盟国で販売されるすべてのスマートフォンとタブレットなどに、共通の充電端子(USB-C)を設ける法案を可決しました。
この動きは世界のほかの国々へも拡大する可能性があります。
MacBookでは2015年からUSB-Cを採用
AppleもiPhoneやiPadにこそ採用していないものの、MacBookでは2015年にUSB-Cコネクタを取り入れています。
しかも2015年発売のMacBookはUSB-Cポートを1つしか搭載していないという、かなり攻めた製品でした。
2016年にはMacBook Pro、2018年にはMacBook AirとiPad ProでもUSB-Cコネクタを採用しましたが、今もエントリーレベルのiPadはLightningコネクタを搭載しています。
しかしそれも、もうすぐ変わるかも知れません。
Lightningには技術的制約も
米メディア9to5Macは、MacやiPadを含め多くのデバイスがUSB-Cコネクタを搭載しており、iPhoneだけのためにLightningケーブルを持つということが時代遅れになりつつあるとし、さらにLightningには技術面での限界があると指摘しています。
LightningはUSB 2.0規格対応のため、現在一般的になりつつあるUSB 3.0よりも転送速度が劣ります。また4K ProRes動画のような大容量ファイルを送るのは相当の時間がかかります。
Appleは来年のiPhone15シリーズで、LightningコネクタをUSB-Cコネクタへと変更すると予想されています。
Source:9to5Mac
Photo:Apple(1),(2)
(lunatic)