Wi-Fi 6 Release 2の登場で無線LAN規格が再びわかりづらい状態に

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    無線LANの規格を定めている業界団体のWi-Fi Allianceは、CES 2022において新たな規格である「Wi-Fi 6 Release 2」を発表しました。
     
    せっかく「IEEE 802.11xx」から「Wi-Fi x」という名前に変わってわかりやすくなった無線LAN規格ですが、消費者にとっては再び区別しづらい状態になったといえます。

    アップリンクのMU-MIMOや低電力機能を取り入れたWi-Fi 6 Release 2

    Wi-Fi 6 Release 2はWi-Fi 6/6Eの強化版であり、以下の2つの機能が目玉です。
     

    1. アップリンク側のMU-MIMO
    2. 低電力機能

     
    MU-MIMOとは「Multi User Multi Input Multi Output」の略であり、複数のアンテナを用いて複数の機器と同時に通信可能にするためのものです。
     
    これまでのWi-Fi 6はダウンリンク側のみMU-MIMOをサポートしていましたが、Release 2ではアップリンク側でもサポートされ、ダウンロードだけでなくアップロード時も通信速度の向上が見込めます
     
    また、低電力機能も強化され、スマートフォンやタブレットのバッテリー駆動時間延長につながるかもしれません。

    消費者から区別がしづらい状態に

    無線LANの規格は、以前は「IEEE 802.11xx」という表記だったものが、「Wi-Fi x」という表記に変更されたことで、一般の消費者にも規格の上下関係がわかりやすくなりました。
     
    しかしながら、Wi-Fi 6Eに加えてWi-Fi 6 Release 2が登場し、再びわかりづらくなったといえます。
     
    さらにややこしいことに、Wi-Fi 6 Release 2はWi-Fi 6だけでなく、6GHz帯をサポートするWi-Fi 6Eをも含んで強化するものとなっており、このままではさらに規格が乱立する状態にもなりかねません。
     
    すでにWi-Fi 7の姿が見え始めたなか、Wi-Fi 7の世代ではすっきりとわかりやすい表記に立ち戻ってほしいものです。

     
     
    Source: Wi-Fi Alliance via Android Police
    (ハウザー)

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    この記事を書いた人

    本職はSoCの設計者。このためPCやスマホのHW/SW両方に造詣が深く、その知見に基づいた記事を執筆している。スマホ歴はiPhone4→(Android)→iPhone XR→13 Pro。

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