Apple、アプリに「外部決済システムへのリンクやボタンは認められない」
App Storeのあり方を巡る、AppleとEpic Gamesの裁判では、どちらも米地方裁判所の判決を不服として控訴を正式に発表しています。このうち、地裁判事よりAppleに命じられた、自社の決済システム以外への外部リンク許可について、同社が命令の保留を要求するための反対意見をまとめました。
リンクやボタンは認められない
Appleが今回まとめた意見とは、控訴審が行われる間、命令の執行を保留するよう求めるものです。この申し出が妥当かどうかを決める公聴会は11月9日に実施されます。
とりわけAppleが問題視しているのは、サードパーティーの支払いを可能にするボタンやリンクを許可する要件についてです。同社は、デベロッパーが他の支払い方法に関する情報を提供すること自体はそこまで反対していないものの、直接的なボタンやリンクは、デベロッパーにアプリ内課金(IAP)の利用を要求する能力を損なうものだとし、「配置、形式、内容を制限したい」とし、真っ向から反対する構えを見せています。
残る1項目こそがAppleにとって問題
AppleとEpic Gamesの裁判は、10項目のうち9項目で、Appleに対して有利な判決が下されました。しかし、Appleにとっては残る1項目こそが問題でした。サードパーティーのアプリストアやアプリ内決済方法を認めるよう、地方裁判所のイボンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ判事が命令を下したのです。判決に従う場合、Appleは、12月9日にまでにこの命令を実施しなければなりません。
Appleはこの判決が下される前、アプリ外での購入を促すための消費者へのメール送信に関する規則を見直したり、「リーダー」アプリでは外部リンクを許可したりといった緩和策を採っていました。しかし、下された命令はすべてのアプリを対象としています。そのため、Appleは10月上旬に控訴を正式表明していました。
また、11月9日の公聴会に先立って、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「App Storeで最も重視しているのは、プライバシーとセキュリティだ」と述べ、サードパーティーを安易に認める危険性について強調しました。
Source:Reuters
(kihachi)