Arm CPU搭載ノートPCで本格3Dゲームがプレイ可能に?~NVIDIAがデモ

    MediaTek製SoCとNVIDIA製GPUでプレイする3Dゲームの画像

    MediaTek製SoCとNVIDIA製GPUでプレイする3Dゲームの画像
     
    ArmのCPUを搭載したWindowsノートPCやChromebookはすでに販売されていますが、それらは低消費電力性を売りにしており、負荷の大きい3Dゲームをプレイするためのものは市場に見られません。
     
    しかしながら、NVIDIAは同社のGPUをMediaTek製のArm CPU搭載システム・オン・チップ(SoC)と組み合わせ、本格的な3Dゲームをプレイするデモを公開しました。Arm CPU搭載ノートPCが活躍できる場がより広がるかもしれません。

    GDC 2021でデモを公開

    このデモは、7月19日から23日まで行われているGame Developers Conference(GDC) 2021で公開されました。
     
    デモは、NVIDIAのGPUであるGeForce RTX 3060と、MediaTekのSoCであるKompanio 1200を組み合わせて実行されています。
     
    Kompanio 1200はMT8195とも呼ばれ、Arm Cortex-A78とCortex-A55をそれぞれ4つずつ搭載した、Chromebook向けのSoCです。
     
    NVIDIAMediaTekは、今年4月にChromium、Linux、NVIDIA SDKをサポートするリファレンス・プラットフォームの構築のための提携を発表していました。
     
    公開された動画では、美しいグラフィックスのデモが滑らかに動作する様子が確認できます。
     

    ChromebookやLinux向けにSDKを移植

    NVIDIAはArm CPU上で動作するLinux OSで同社のRTXシリーズGPUが使用できるよう、ソフトウェア開発キット(SDK)を移植しています。
     
    このなかには以下の5つが含まれます。
     

    • Deep Learning Super Sampling(DLSS): AIを使ってフレームレートを向上させ、ゲーム用の美しくシャープな画像を生成するライブラリ
    • RTX Direct Illumination(RTXDI): ゲーム環境にダイナミックな照明を加えるライブラリ
    • RTX Global Illumination(RTXGI): 現実の環境で光が跳ね返る様子を再現するライブラリ
    • NVIDIA Real-Time Denoisers(NRD): ピクセルあたりの光線量が少ない信号に対応するように設計されたノイズ除去ライブラリ
    • RTX Memory Utility(RTXMU): アプリケーションがグラフィックスメモリを使用する方法を最適化するライブラリ

     
    このうち、RTXDI、NRD、RTXMUはLinuxとChromiumが動作するArmプラットフォーム上ですでに利用可能で、RTXGIとDLSSもまもなく登場予定です。
     
    Armと高性能GPUの組み合わせについては、Samsungも同社のExynos 2200 SoCにおいて、AMDと協業して設計したGPUを搭載するといわれています。
     
    また、AppleのM1チップもArm CPU搭載ですが、その独自開発されたGPUの性能は高く、次世代のM1XではNVIDIAのモバイル版GeForce RTX 3070と同等で消費電力は半分以下になる可能性があるとされています。

     
     
    Source:NVIDIA via Notebookcheck
    (ハウザー)

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