iPhoneの所有者が死亡すると、デバイスやクラウド上のデータはどうなる?

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    iPhoneなどのAppleデバイスのユーザーが死亡した場合、デバイスや、iCloudに保存されたデータはどのように取り扱われるのでしょうか?AppleInsiderが情報を整理しているのでご紹介します。

    所有者の死亡後、iPhoneのデータはどうなる?

    iPhoneの所有者が亡くなった場合、デバイスやiCloud上に保存されたデータが、即座に近親者などに相続されることはありません。
     
    Appleは「プライバシーは基本的人権」と宣言しているように、ユーザーのプライバシーを重要視しており、ユーザーが死亡した場合には、アカウントとアカウント内のコンテンツについて権利が消滅する、とiCloudの利用規約に明記しています。

    D.生存者への権利帰属の否定
     
    別途法令に定めがある場合を除き、お客様は、お客様のアカウントが譲渡不能なものであることおよびお客様が死亡した場合にはお客様のApple IDまたはお客様のアカウント内にあるコンテンツについて一切の権利が消滅することに同意します。死亡証明書またはそれに準ずる証明書の書面を受け渡した時点をもって、お客様のアカウントを終了し、お客様のアカウント内にあるすべてのコンテンツを削除することができるものとします。さらなる支援については、iCloudサポート(support.apple.com/ja-jp/icloud)までお問い合わせください。

     

    故人のアカウントへのアクセス

    Appleは、「死亡した家族の Apple アカウントへのアクセスをリクエストする方法」と題したサポートドキュメントを公開しています。
     
    Apple サポート「死亡した家族の Apple アカウントへのアクセスをリクエストする方法」
     
    サポートドキュメントには、以下の案内が掲載されています。
     

    毎日、世界中の方が大切な書類や思い出を Apple のデバイスと iCloud に保存しています。Apple では、プライバシーは基本的人権であると考えています。お客様も、常に情報のプライバシーとセキュリティを守っていてほしいと Apple に期待しています。そのような中で、Apple は、お客様が亡くなられるという不幸が起きた場合に、お客様はご自分の情報を誰にでも共有してよいと思っておられたのか、誰にであれば共有してもよいのかを知ることができる立場にありません。

     
    そのうえでAppleは、故人のデバイスやiCloudに保存された個人情報にアクセスする方法として、亡くなった方の個人情報を相続する権利を持つ人を指名した裁判所命令が必要、と案内しています。
     
    なお、裁判所命令には以下の情報が明記されている必要があります。
     

    • 故人の氏名とApple ID
    • 故人のアカウントへのアクセスを求めている最近親者の氏名
    • 故人が、Apple IDに関連付けられているすべてのアカウントの使用者であったこと
    • 依頼人が故人の法定代理人(legal personal representative)、代理人(agent)、または相続人であり(heir)、その承認内容が「lawful consent」(法的に正当な同意)に相当すること
    • 故人のアカウントの情報にアクセスする権利を提供するようAppleが裁判所に命じられていること

     
    そのうえでAppleは、裁判所命令を入手済みの場合や、質問がある場合には、Appleサポートに問い合わせるよう案内しています。
     
    ただし、デバイスがパスコードでロックされている場合、デバイスを消去しない限り、パスコードロックを解除することはできません。

    裁判所命令を入手後は?

    裁判所命令を入手した後の一般的な流れの例として、AppleInsiderは以下のとおり紹介しています。
     
    なお、iPhoneがパスコードでロックされている場合はロックは解除できないので、セットアップ用に別のiPhoneを用意する必要があります。
     

    1. AppleサポートがApple ID情報を申請者に転送する
    2. iCloud.comでデータを収集する
    3. 故人のApple IDでiPhoneをセットアップする
    4. 故人がファミリー共有の管理者だった場合、グループを解除する(管理者を変更することも可能)
    5. 必要なデータをエクスポートや転送などの方法で保存する

    遺書への記載を推奨

    故人に関するさまざまな情報が集約されるデバイスやiCloudのデータは「終活」においても重要度を増しています。
     
    Appleはユーザーが遺書を作成する際には、自身のデバイスやiCloudに保存された個人情報の取り扱いについて、遺産相続の内容として遺書に記載することを勧めています
     
    遺書への記載により、アカウントへのアクセスに必要な裁判所命令の入手が容易になり、時間的なロスや遺族の精神的負担を軽減できる、とAppleは説明しています。

    詳細はAppleサポートに確認を

    ユーザー死亡後のデータの取り扱いについて、詳細はAppleサポートに確認してください。

     
     
    Source:Apple (1), (2), AppleInsider
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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