Appleの自動運転車開発プロジェクト、責任者が人工知能部門トップに交代
Appleの自動運転車プロジェクト「Project Titan」のトップが、機械学習と人工知能(AI)技術の責任者に交代した、とBloombergが報じています。
Project Titanのリーダーが交代
数年前から、Appleが開発を進めていると噂のある自動運転車プロジェクト「Project Titan」の責任者が、Appleの機械学習及び人工知能戦略担当上級副社長であるジョン・ジャナンドレア上級副社長に交代した、と事情に詳しい関係者からの情報としてBloombergが報じています。
現在の「Project Titan」は、Macのハードウェア責任者を務めたのちに約5年間のTeslaでの勤務を経て2019年にAppleに戻ったダグ・フィールド氏が率いています。
しかし、Bloombergの報道によると、フィールド氏の開発チームに所属する数百名のエンジニアたちは、ジャナンドレア氏が率いる人工知能と機械学習のチームに異動した模様です。
Googleの機械学習・検索トップからAppleに転身
ジョン・ジャナンドレア氏は、Googleの機械学習と検索部門のトップから、2018年にティム・クック最高経営責任者(CEO)直属の責任者としてAppleに移ってきました。
フィールド氏は以前、ボブ・マンスフィールド氏の部下として勤務していましたが、マンスフィールド氏はすでに退職しているため、自動運転車開発プロジェクトはジャナンドレア氏の指揮下に置かれることとなります。
クックCEOも存在を認めたAppleの自動運転車プロジェクト
Appleのティム・クックCEOは2017年に、Bloombergのインタビューに対しAppleが自動運転車の開発を行なっていることを認め、「最も重要なコアテクノロジー」「最も困難なAIプロジェクトのひとつ」と語っています。
Appleはその後、自動運転車開発部門で大規模な人員整理を行ったと報じられたものの、自動運転車の開発は継続しています。
Appleは以前、自動車の自社開発を目指していたものの、既存車両に後付けして自動運転を実現するパーツの開発に方針転換したとも報じられていました。
Appleが保有する公道実験車両は66台
Appleは2017年から、米カリフォルニア州の公道での自動運転車の走行実験を行なっています。
カリフォルニア州の車両管理局(DMV)のデータによると、Appleが2019年に実施した公道での走行実験で、自動運転から人間による運転に切り替えるまでの走行距離は1台あたり118マイル(約190キロメートル)で、2018年よりも平均1マイル延びています。
一方で、Appleが2019年に行なった公道実験での走行距離は、2018年と比べると短くなっています。
DMVへの登録データによると、Appleが所有している自動運転用の実験車両は66台です。
Source:Bloomberg
Photo:MacRumors, Apple
(hato)