チップ量産企業TSMC、Huaweiとの取引再開を条件付きで認められる

    TSMC ロゴ

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    チップの量産を請け負う業界最大手のTSMCが米国にHuaweiとの取引再開を申請した結果、“条件付き”で許可されたことが分かりました。

    取引再開にこぎ着けたTSMCだが

    米トランプ政権がHuawei禁輸措置リストに入れたことで、同社は米企業と許可なく半導体の取引を行うことができなくなりました。2020年に入ってこの禁輸措置は更に厳格化され、台湾TSMCなど米企業以外もHuaweiとの取引を終了せざるを得なくなりました。2020年第2四半期(4月〜6月)で世界スマートフォン市場シェア1位だったHuaweiとの取引を終了することは、ハイエンドチップの量産を引き受けてきたTSMCにとっても大きな痛手です。
     
    ただし、米政府からの“許可”があれば別です。事実、TSMCはHuaweiとの取引を申請し、AMDやIntelと同じく許可を取り付けることに成功しました。とはいえ、事情通が明らかにしたところによると、安全保障上の問題で米政府からは条件が付いたそうです。その条件とは、最新のプロセスノードを使用してはいけないというもので、28nmプロセス技術で生産されたチップしか認められなかったとのことです。

    28nm以上では意味がない

    スマートフォンに使用されるチップは現在、16nm(iPhone7のA10チップ)や10nm(iPhone XのA11)、7nm(iPhone XSのA12&iPhone11のA13)、そして最新鋭の5nm(iPhone12のA14)といったプロセス技術が一般的で、28nm以上は用いられることがありません。実際、Huaweiの最新鋭チップであるKirin 9000も5nmプロセス技術で量産されています。
     
    したがって、TSMCは米政府からHuaweiとの取引を再開する許可を得たものの、実際にスマートフォン向けのチップを従来どおり供給することはできないというわけです。HuaweiはTSMCとの契約が終了する前に、最大1,500万台のKirin 9000チップを発注したものの、期限までに間に合ったのは880万台だと言われています。このチップがHuaweiにとって当面は“最後のハイエンドチップ”になるとされており、同社を取り巻く状況は依然として厳しいことに変わりはありません。
     
     
    Source:新浪科技 via PhoneArena
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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