インドに続きベトナムでもiPhone組み立てに前向き〜“脱中国”進む

Apple サプライヤー責任 2020

Apple サプライヤー責任 2020
 
AppleiPhone組み立ては主に中国やインドで行われていますが、新たにベトナムに組み立て工場を設ける計画が持ち上がっているようです。

ベトナムは“次のインド”になるか

iPhone組み立てを請け負う最大のサプライヤーFoxconnの会長が「中国はもはや『世界の工場』としての役割を終えた」と述べたことは話題を集めました。それまでもAppleの“脱中国”志向は指摘されてきましたが、サプライヤーがここまで明確に発言することはなかったからです。
 
中国の代わりとして注目を集めているのが、インドとベトナムです。インドにはFoxconnやWistronがすでに大掛かりな工場を所有しているほか、Pegatronの参画も噂されています。またベトナムではLuxshareやGoertekがAirPodsの生産工場を有しています。
 
このうちベトナムについて、AirPodsに続きiPhoneの組み立て工場も設立する動きがあることが分かりました。Luxshareの関係者が語ったところによると、Appleから視察団が現地の視察に訪れたようです。Luxshareはベトナムのバクザン省に2.7億ドル(約287億円)を投資し、工場で2.8万人の従業員を雇用しています。仮にiPhoneの組み立て生産が現地で始まった場合、従業員数は5万人〜6万人ほどに増えると予想されています。

従業員向けの宿舎が問題に

ところが、少なくとも今回の視察ではLuxshareのベトナム工場がAppleのお眼鏡にかなうことはなかったようです。
 
Appleが問題視したのは、従業員向け宿舎でした。具体的にどの点が問題だったのかは明らかにされていませんが、宿舎の環境が基準を満たさなかったのではないかと予想されます。中国でもNGO団体や内部の告発によって、iPhone組み立て工場の労働環境は何度も国際問題になってきたため、Appleが神経を尖らせるのも無理はありません。
 
なお、LuxshareはAppleの意向で、すでに中国にあるWistonの巨大工場を買収しており、iPhoneの組み立てサプライヤーとして参画すること自体はほぼ確定的です。手始めに2021年に登場する300ドル(約32,000円)の廉価版iPhoneを請け負うのでないか、とする観測も一部には存在します。
 
 
Source:AppleInsider,MyDrivers
Photo:Apple
(kihachi)

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丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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