Wistronの中国工場売却、iPhoneの製造コスト引き下げに繋がるか
iPhoneの組み立てを請け負うサプライヤーの一つ、Wistronが中国Luxshareに対して工場を売却したことを受け、PegatronやFoxconnといった他の組み立てサプライヤーにも動揺が走っています。
中国企業の影響力を憂慮
iPhoneの組み立てサプライヤーは現在、最大手のFoxconnを筆頭にPegatron、Wistronといずれも台湾企業が占めています。しかし、このうちWistronがAppleの仲介で主力工場を138億台湾ドル(約500億円)で中国Luxshareに売却したことで、サプライヤーの勢力図が大きく変わるのではないかと考える向きも少なくありません。
サプライヤー事情に詳しい経済日報は、Foxconnの創業者テリー・ゴウ氏がショックを受けているとし、中国本土のサプライヤーの影響が強まることに懸念を示したと報じています。また株式市場でも、Wistronの工場売却が報じられたことで、PegatronとFoxconnの株価も大きく下落、20日には3社合計で312.58億台湾ドル(約1,140億円)相当の時価総額が失われました。
製造コスト引き下げ圧力強まる恐れ
LuxshareがWistronの工場を手に入れ、iPhone組み立てサプライヤーとして3番手の地位に収まることは、Appleの意向が大きく関係していると考えられています。
Luxshareが供給するiPhoneは、Wistronがそうであったように当分は安価なモデルにとどまる見通しですが、Appleがサプライヤーの“新陳代謝”を図ることで、製造コストの引き下げ圧力がかかるのは言うまでもありません。経済日報も、組み立て価格の変動によってPegatronやFoxconnへの影響が危惧されると指摘しています。
もちろん、製造コストの減少が販売価格に反映されるのは消費者にとっては有り難いですが、Appleに大きく依存してきたサプライヤーは戦々恐々でしょう。
Source:経済日報(1),(2)
(kihachi)