Foxconn会長「中国は『世界の工場』としての役割を終えた」

    Apple サプライヤー責任 2020

    Apple サプライヤー責任 2020
     
    iPhoneなどの組み立てを担当するApple最大のサプライヤーであるFoxconnが、製造拠点の「脱・中国」を加速させている、とBloombergが報じています。

    中国から米国への輸入品にかかる関税回避へ

    iPhoneなどAppleの主力製品の組み立てを担うFoxconnとして知られる鴻海精密工業のリウ・ヤンウェイ(劉揚偉)会長は、製造拠点の中国国外への移転を進めている、と語りました。
     
    中国で生産された製品をアメリカに輸入する際、高額の関税が課せられるのを避けるため、同社はアメリカ向けの製品を中国以外で製造する、サプライチェーンの分割で対応しています。
     
    Foxconn リウ・ヤンウェイ(劉揚偉)会長
     

    中国国外での生産比率、約1年で25%から30%に

    Foxconnの「脱・中国」は、1,000億円超を投じて生産能力を拡張するインド東南アジアに生産能力を移転させることで、中国国外での生産比率を2019年6月の25%から、現在は30%にまで高めています。
     
    依然として中国での生産割合が高いとはいえ、リウ会長は「インドでも、東南アジアでも、アメリカでも、どこにでも製造エコシステムは作れる」と自信を示し「もはや、中国は世界の工場としての役割を終えた」と語っています。

    Foxconnの業績は好転も、米中関係がリスク要因に

    Foxconnは7月に2020年第2四半期(4月〜6月)の業績を発表し、収益が前年同期比で約9%減ながら、前年同期比90%もの減益となった第1四半期(1月〜3月)からは業績が好転し、新型コロナウイルスの影響を脱しつつあるとみられます。
     
    Foxconnは最近は、iPhone12の本格量産に向けた人員確保のため、中国の工場で大規模な従業員募集を実施しています。
     
    ただし、中国の人気アプリWeChatがApp Storeから削除された場合、中国でのiPhone出荷台数が最大3割減少する、と著名アナリストのミンチー・クオ氏が予測しているように、今後の米中関係の行方がiPhoneの需要に影響を及ぼす可能性もあります。
     
     
    Source:Bloomberg
    Photo:Apple, Foxconn/YouTube
    (hato)

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