LGがiPhoneの有機ELディスプレイを供給、Samsungの独占状態が崩れるか?

    lg display

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    2020年のiPhone12シリーズには、すべてのモデルに有機EL(OLED)ディスプレイが採用される見通しですが、今年からLG DisplayがiPhoneのOLEDディスプレイパネル供給でAppleのサプライチェーンに本格的に加わります。ディスプレイ供給元が分散し、サプライチェーンの多様化が図られることで、Samsungの独占状態に終止符が打たれる可能性があります。

    LG Displayは全体の約3分の1を供給

    これまでiPhoneのOLEDディスプレイは、Samsungがほぼ独占的に供給してきました。その結果Appleは、Samsungと法外な違約金が含まれたサプライヤー契約を結ばざるを得ない状況に置かれており、パネルの供給量が合意済みの水準に達しなかったとして、2年連続で同社に900億円規模の巨額の支払いを行ったと伝えられています。
     
    2019年の新作iPhoneでもLG DisplayのOLEDディスプレイパネルが一部使用されましたが、歩留まりの低さ(不良品発生率の高さ)が問題となり、期待されていた供給量を生産することは叶いませんでした。
     
    Appleは今年のiPhone12シリーズ全モデルにOLEDディスプレイを採用する方針であるため、ディスプレイパネルの大幅な需要増加が見込まれています。日本経済新聞によれば、増加分のパネルのほとんどをLG Displayが生産し、供給量は前年の5倍の2,000万枚に達する見通しであるとのことです。
     
    SamsungのOLEDディスプレイパネル生産量は約6,000万枚になるとみられており、前年と比べてわずかに増加するにとどまるとされています。

    LG Displayは安心できない?

    Appleは、ディスプレイ供給のさらなる多様化に向けてすでに動き出しており、中国BOEに白羽の矢が立っています。中国政府をバックに持つBOEは、Apple専用のOLEDモジュール生産ラインを設置するため投資を行うと今年始めに報じられており、日経は2021年のiPhone採用もあり得ると伝えています。
     
    OLEDディスプレイは、従来の液晶パネルと比べて色が鮮やかで、柔軟性に優れているため、Samsungが現地時間の8月5日に発表する見込みの新型Galaxy折りたたみスマホなど、今後需要はさらに高まっていくと予測されています。
     
     
    Source:日本経済新聞
    Photo:LG
    (lexi)

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