アプリ開発企業「Appleでサインイン」は特許侵害だとしてAppleを提訴
アプリ開発企業Blixが、新しいシングルサインオン「Appleでサインイン(Sign in with Apple)」が同社の特許を侵害しているとして、Appleを提訴しました。
「メールアドレスを隠す機能は特許侵害」と主張
無料のメールアプリBlue Mailの開発企業Blixが、「Appleでサインイン」で採用されているユーザーの本当のメールアドレスを隠す機能は、同社の特許を侵害していると主張しています。
「Appleでサインイン」では、プライバシー保護のために、ユーザーが個人用Eメールアドレスを隠すことができる「プライベートEメールリレーサービス」が採用されています。サインインの際にAppleが発行したランダムなアドレスが使用されるため、ユーザーの本当のアドレスは共有されないという仕組みです。
Blixはこの仕組みが、Blue Mailで採用され、同社が2017年に特許を取得した「Share Email」の機能を真似たものだと訴えています。
Blix、別件でも損害賠償を要求
テクノロジーメディアBeebomによると、Blixは以前、AppleがApp Storeの検索結果表示で自社アプリを優先しているとも主張していました。この件については複数のメディアで取り上げられた後、Appleが検索結果表示アルゴリズムを見直すことで対応、その結果Blue Mailの順位は143位から13位へと急上昇しています。
また「Appleでサインイン」が導入される数週間前、Appleが、Blue Mailはほかのアプリのコンテンツ(TypeApp)のコピーだと認定、Mac App Storeから削除するという一件もありました。しかしBlixは、TypeAppはBlue MailがApp Storeで配布開始される数週間前に削除されており、Appleの主張は意味が通らないと反論、Appleに対し損害賠償を求めています。