iPhone11シリーズではレアアースが再利用されている

    iPhone11/11 Pro/11 Pro Max

    iPhone11/11 Pro/11 Pro Max
     
    カメラ性能が大幅に向上したことが話題のiPhone11シリーズですが、言われなければ分からないような箇所にも変化が起きています。新たなiPhoneでは、レアアース(レアメタルの一部)を再利用していることが分かりました。

    全体の25%に相当

    これまでにもAppleは、積極的に素材を再利用してきました。例えば、先日のスペシャルイベントで発表された10.2インチの新iPadや、MacBook Air(2018)は、すべてのアルミニウム素材がリサイクルで賄われています。iPhoneについても、ロボット「Liam」で年間100万台以上を分解し、部品や素材を回収していることが分かっています。
     
    しかしiPhone11、iPhone11 Pro/Pro Maxでは、レアアースも再利用したものを使っているようです。レアアースは個々の製品に含まれる量がわずかなため、回収して再利用することが困難とされています。
     
    Appleで環境問題を担当するリサ・ジャクソン副社長はReutersに対し、iPhone11シリーズのTaptic Engineに使われているレアアースがすべてリサイクルしたものであることを明らかにしました(当面は古いiPhoneではなく外部業者からの調達)。これは新iPhone全体が含むレアアースの25%に相当します。

    米中貿易摩擦が関係している?

    リサ・ジャクソン副社長は「関係がない」と主張したものの、Appleがレアアースの再利用を決めた理由として、Reutersは米中貿易摩擦の緊張の高まりを挙げています。
     
    レアアースの多くは中国から輸出されているため、米中両国の関係が更なる悪化を辿れば、調達は困難となります。2010年に中国が対日輸出規制を行った際も、レアアースの価格は暴騰しました。
     
    iFixitのカイル・ウィーンズ最高経営責任者(CEO)も、リサイクルが行われないなかで中国がレアアース市場を独占している状況を指摘し、「Appleは再利用レアアースの市場を単独で切り拓く可能性がある」と分析しています。
     
     
    Source:Reuters
    (kihachi)

    この記事がお役に立ったらシェアお願いします

    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

    特集

    [PR]オフィシャルサイト

    目次