Appleのヘルスケアチームで連鎖退職が起こっている?方向性の食い違いが原因か
Appleのヘルスケアチームで離職が続いている、と米メディアCNBCが報じています。ヘルスケアを重要課題として推し進めるAppleですが、その方向性の食い違いが従業員離脱の原因になっているようです。
ヘルスケアに大きく力を入れるApple
Apple社内のヘルスケアチームの動向に詳しい8人の人物によれば、同チームに所属する従業員の一部が、思い描いたアイデアを実現させるのが難しいと感じているとのことです。
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が「Appleが人類にとってどのような役割を果たしたかを遠い未来から見たとき、ヘルスケアこそがその答えになる」と語っているように、Appleは近年Apple Watchを中心としてヘルスケアに大きく力を入れています。
しかしながら、Appleのヘルスケア事業の方向性に関して、従業員の意見が食い違っていると伝えられています。
Appleは予防医療に近いアプローチ
Appleのヘルスケアチームのなかには、医療機器、遠隔医療や、ヘルスケアの支払いなどのより大きな課題へ取り組むことを望む社員がいるとされていますが、Appleは健康な人々のウェルネスを高める予防医療に近いアプローチをとっています。
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によれば、米国の医療費の90%近くは慢性疾患を持つ患者に費やされており、医療問題に真っ向から取り組みたい従業員が現在のAppleの方針に納得がいかないのは理解できます。
最近では、Appleが医薬品会社Eli Lillyと共同で行っている、iPhoneとApple Watchを利用した認知症研究に携わっていたヘルスケア研究者のアンドリュー・トリスター氏が退社し、世界最大の慈善基金団体Bill & Melinda Gates Foundationへと移ったばかりです。
トリスター氏はGates Foundationで、急成長するアメリカのヘルスケア関連技術を発展途上国へと持ち込む職務にあたるとみられています。
Source:CNBC
(lexi)