Apple、Intelのスマホモデム事業買収を発表!iPhoneの5G対応に布石

Appleは現地時間7月25日、Intelのスマートフォン向けモデム事業を買収することを正式に発表しました。買収額は10億ドル(約1,086億円)です。iPhoneに搭載する5Gモデムの自社開発に向けた買収とみられます。
Apple、Intelの従業員と知的財産を獲得
AppleによるIntelのスマートフォン向けモデム事業の買収が合意間近であると最近、The Wall Street Journal(WSJ)が報じたばかりですが、報道のとおりとなりました。
買収に伴い、約2,200名のIntel従業員がAppleに移り、Appleは17,000件を超える知的財産を保有することとなります。
今回の買収後もIntelはスマートフォン用以外のモデム事業を継続します。
買収は、規制当局の審査を経て、2019年度第4四半期(10月〜12月)に完了する予定とのことです。
なお、これまででAppleによる買収額が最も大きいのは、2014年のBeats買収で、買収額は約30億ドル(約3,000億円)です。
Intel、4月にスマホ向けモデムからの撤退を発表
Appleは、5Gモデム開発で業界をリードするQualcommと、取引条件を巡り訴訟を繰り広げていたため、Intelから5Gモデムを調達する方針でした。
しかし、今年4月にAppleとQualcommが和解し、訴訟を全て取り下げると発表した直後に、Intelはスマートフォン向けモデム事業からの撤退を発表しました。
6月にはIntelが8,500件もの知的財産を競売にかけると報じられ、7月に入ると「特定の買い手との交渉」が進展しているとの続報があった後、最近ではWSJが「買収交渉が大詰めを迎えている」と伝えていました。
5G対応iPhoneは2020年に発売か
Apple関連情報の精度の高い予測で知られるアナリストのミンチー・クオ氏は、Qualcomm製モデムを搭載した5G対応のiPhoneが2020年に発売され、Intel製5Gモデムを搭載したiPhoneの発売は2022年〜2023年になるだろう、と予測しています。
AppleがIntelのスマートフォン向けモデム事業を獲得したことで、この見通しにも変化が生じる可能性があります。
Source:Apple, Intel
(hato)