日本政府の対韓輸出規制で中国BOEがiPhoneのディスプレイ供給か

Apple iPhone XS

Apple iPhone XS
 
日本政府による対韓輸出規制を受け、Appleが中国大手BOE Technology(BOE)をディスプレイのサプライヤーに加える可能性があるようです。iPhoneに採用されている有機EL(OLED)ディスプレイは現在、韓国のSamsungが独占的に供給しています。

対韓輸出規制で材料確保困難に

日本政府は「フッ化ポリイミド」「レジスト」「エッチングガス(フッ化水素)」といった素材の対韓輸出を厳格化する方針を打ち出しています。ところが、これらの素材はOLEDの製造に必須で、仮に確保が困難になれば、ディスプレイ生産を手がけるSamsungやLGといった韓国企業は大きな痛手を負う羽目になります。
 
特にiPhoneはSamsungがOLEDを一社で独占的に供給している状況(LGもサプライヤー入りしたとの報道も)で、日本政府の対韓規制が更に激化すると、このままではAppleも大きな影響を免れません。サプライチェーンの関係者が明らかにしたところによると、Appleはリスクを避けるために中国企業のBOEをサプライヤーに加えることを検討しているようです。
 
Huaweiのメインサプライヤーとしても知られるBOEは、以前からAppleのサプライヤーとして名乗りを上げており、3月にもタッチセンサーを組み込んだフレキシブルOLEDの大量生産に向けて生産ラインをアップデートしたことが報じられたばかりです。

サプライヤーを複数探していたApple

2019年のiPhoneは、名称がiPhone11/11 Max、iPhone XR2になるのではないか、と考えられています。iPhone XS/XS Max、iPhone XRと同じく3モデル体制が維持され、iPhone11/11 MaxのディスプレイはOLED、iPhone XR2のみ液晶ディスプレイ(LCD)となる見込みです。
 
しかし、2020年には3モデルすべてがOLED採用となる可能性も指摘されており、コストを抑えつつ一定の供給量を確保したいAppleにとってはSamsung以外のサプライヤー確保が急務です。したがって、仮にこのままサプライヤー入りが決まれば、今回の対韓輸出規制はBOEにとってまさに“渡りに船”となりそうです。
 
 
Source:騰訊新聞 via DigiTimes
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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