iPhoneの売り上げ低迷でAppleの株価が急落したことで損を被った年金基金が、投資家に明らかにすべき情報が隠されていたとして、同社に対して訴訟を起こしました。
もっと早く教えてくれたなら……
1月2日に
Appleが米中貿易摩擦などを理由として、売上高見通しを下方修正したことで、Appleの株価は10%も下落しました。3カ月前にピークを迎えた時価総額1.1兆ドル(約110兆円)からは約40%も下がった計算です。しかし、こうした下落局面で株価を購入した投資家は災難でしょう。
今回カリフォルニア州の連邦裁判所に訴えを起こした、ミシガン州ローズビルの職員退職年金基金もそうした被害者の一員です。
訴訟では、昨年11月のカンファレンスでティム・クック最高経営責任者(CEO)が、Appleのパフォーマンスが落ちているのはブラジルやインドが理由であって「中国が該当するとは考えていない」と述べていながら、2月には米中貿易摩擦が業績悪化の原因とされたことが問題視されています。この他にも、
iPhoneの販売台数が非公開とされるなど、投資において必要な情報が適切に開示されていなかったことが批判されています。
中国でのiPhone売り上げは回復
とはいえ、中国での2019年第1四半期(1〜3月)のiPhone売り上げは、
市場関係者の予想を上回ると考えられています。
投資銀行Morgan Stanleyが投資家に向けたレポートによると、中国国内の
iPhoneのインストールベース(実際に使用されている台数)・シェアは1月から3カ月連続で上昇しているそうです。売れ行きが回復した理由は、19年1月に
iPhone XR/XS/XS Max、3月には更に
iPhone XS/XS Maxの値下げを実施したことが背景にあるのではないか、と考えられています。
ひとまず訴えを起こした年金基金も、この売り上げ回復には胸を撫で下ろしていることでしょう。Appleによる
最新業績の発表は4月30日に行われます。
Source:CNBC
(kihachi)