New York Timesトップ、Appleの配信サービスに参加しない理由を語る

Appleが発表すると予測されるニュース・雑誌の読み放題サービスへの参画に否定的と伝えられる、アメリカの有力紙The New York Timesの最高経営責任者(CEO)が、その理由を語りました。
Appleの配信サービスに不参加と伝えられるNYT
Appleは、現地時間3月25日のイベントでニュース・雑誌読み放題サービス、動画配信サービス、クレジットカードサービス、そしてゲーム遊び放題サービスも発表するのではないかと予測されています。
ニュース・雑誌の読み放題サービスについては、多くの雑誌や新聞メディアが参画するものの、自社で有料購読サービスを提供している大手新聞社は参画に否定的と報じられていました。
先日は、有力経済紙The Wall Street Journal(WSJ)がAppleのサービスに参画することが決まったものの、The New York Times(NYT)と、Washington Postは否定的と報道されています。
「私たちのジャーナリズムが、ごちゃ混ぜにされてしまう」
2012年にNYTのCEOに就任したマーク・トンプソン氏は、同紙のデジタル配信事業を成長させ、サブスクリプション購読者数で全米トップに引き上げた功績を持ちます。
同氏が、Appleが計画しているような配信サービスに加わらない理由を、Reutersのインタビューに明かしています。
トンプソン氏は「私たちのジャーナリズムが、どこにでもある状態が当たり前になるのは良くない」「各社と、ごちゃ混ぜにされてしまうことを心配している」と語り、NYTの記事が、ニュース配信サービスの一部として読者に届くことで、自社の主張や特色が薄められてしまうことへの懸念を語っています。
映像メディアでは、Netflixが大きな存在感を持っていることについて「もし私が、アメリカの放送局ネットワークなら、全作品をNetflixに提供してしまって本当に良いのか、2回は考えるだろう」とも語っています。
Appleとの交渉については明かさず
トンプソン氏はAppleとの交渉については語っていませんが、大手メディアがAppleのサービスに参画しない理由は、売上高の配分の少なさへの不満や、読者の個人情報をマーケティングに使えないためではない、ということのようです。
Appleのスペシャルイベント「It’s show time」は、日本時間3月26日の午前2時から、インターネットでライブ配信され、誰でも無料で視聴できます。
Source:Reuters
Photo:The New York Times
(hato)