今夏に義務化の「端末と通信の完全分離」、6割が「理解していない」MMD研究所調査
携帯電話の端末代金と通信料金の完全分離を義務付ける電気通信事業法の改正により、スマートフォンの販売価格上昇が見込まれている中、MMD研究所は「2019年スマートフォンの料金に関する調査」の結果を公表しました。
この夏にも「端末と通信の完全分離」義務化、影響は?
MMD研究所による「2019年スマートフォンの料金に関する調査」は、2019年2月26日にインターネットで実施され、13歳から59歳の男女563人から有効回答を得ています。
3月5日に政府が閣議決定し、この夏に施行が見込まれる電気通信事業法の改正案では、これまで主流だった、2年間などの長期契約を結ぶことを条件にスマートフォンの端末代金を「実質○円」のように割引するセット販売を禁止し、端末代金と通信料金の完全分離を義務付けています
これによって、最新モデルのiPhoneなどを中心に、端末の販売価格が上昇すると見込まれており、一部の家電量販店などでは「駆け込みセール」が行われています。
端末代金と通信料金の「分離プラン」6割が「理解していない」
「分離プラン」への理解度について「完全に理解している」は8.5%、「やや理解している」が31.1%で、「理解していない」が60.4%と6割を占めました。
スマホ本体に払える許容額は大手キャリアユーザーで低い
「分離プラン」義務化後、スマートフォン本体代金として支払える許容範囲を聞いたところ、大手キャリアユーザーの平均は39,832円に対して、格安SIM(Y!mobileを含む)ユーザーは33,614円と、平均額の差は約6,000円でした。
最も多かった価格帯を比較すると、大手キャリアユーザーは「10,000円未満」が19.3%で最多だったのに対し、格安SIMユーザーは「20,000円以上30,000円未満」が23.1%でした。
これは、セット販売による「実質価格」で割安になった価格に慣れた大手キャリアユーザーと、セット割引があまり提供されないため、端末の実際の代金を知っている格安SIMユーザーで端末代金の認識に差が出たためと思われます。
毎月の平均支払額、大手キャリアと格安SIMで5,698円の開き
通信会社に支払っている月額料金(端末代、オプションを含む)は、大手キャリアユーザーの平均は「7,000円~8,000円未満」(13.6%)が最多で、平均は8,451円でした。
格安SIMユーザーは、「2,000円未満」が43.1%と4割を超え、「2,000円~3,000円未満」(23.1%)と合わせると、3,000円未満が66.2%となり、平均は2,753円でした。
平均額で比較すると、格安SIMユーザーは、大手キャリアユーザーよりも平均5,698円、月額料金が安い計算です。
スマホの平均購入額、大手キャリアユーザーは7万円、格安SIMユーザーは4万円
スマートフォン購入時の本体価格を「把握している」割合は、大手キャリアユーザー66.4%に対して、格安SIMユーザーは87.7%と、格安SIMユーザーは端末価格を把握している割合が高くなっています。
スマートフォン本体価格を把握している人を対象に、スマートフォンの価格を尋ねたところ、大手キャリアユーザーは「80,000円以上90,000円未満」が14.3%と最多で、平均金額は70,268円でした。
格安SIMユーザーでは、「20,000円以上30,000円未満」が23.7%と最多で、平均金額は40,262円でした。
大手キャリアユーザーと格安SIMユーザーで、平均金額で約3万円の差がみられます。
Source:MMD研究所
(hato)