中古スマホ買取・販売の業界団体、安心して売買できるようガイドラインを公開

リユースモバイル・ジャパン(RMJ) 「リユースモバイルガイドライン 初版」

リユースモバイル・ジャパン(RMJ) 「リユースモバイルガイドライン 初版」
 
中古スマートフォンや携帯電話の買取・販売企業の業界団体、リユースモバイル・ジャパン(RMJ)は3月8日、消費者が安心して中古端末の購入や売却ができるようにすることを目的に、業界の共通指針として「リユースモバイルガイドライン初版」を公開しました。

消費者が中古スマホを安心して売買するためのガイドライン

RMJは、中古スマートフォンや携帯電話を取り扱う企業によって2017年3月に発足した業界団体で、2018年7月にはオブザーバーとして総務省も加わり、同年10月の公開を目指してガイドラインの検討を進めていました。
 
3月8日に公開された「リユースモバイルガイドライン初版」では、中古端末ビジネスを行う事業者に必須の関係法令遵守をはじめ、「買取」「検査・格付け」「販売」と、中古端末の流通全体にわたる留意事項が記されています。
 
リユースモバイル・ジャパン(RMJ) 「リユースモバイルガイドライン 初版」
 
ガイドラインによると、消費者から買い取る端末は、アクティベーションロック(iPhoneなら「iPhoneを探す」)が解除されており、Suicaなどの非接触型ICカード情報が消去されていること、端末の初期化などが必須とされています。
 
リユースモバイル・ジャパン(RMJ) 「リユースモバイルガイドライン 初版」
 
仮に、端末の初期化や非接触型ICカード情報の消去ができない場合は、記憶領域を含む基盤を除いて部品取り用に販売するか、廃棄・再資源化することが定められています。

中古端末の状態を示すランク基準も公開

ガイドラインには、私たち消費者が中古端末を購入・売却する際、端末の状態を把握しやすくするための判断基準なども示されています。
 
端末の外装の状態は、未使用・新品同様の「S」を最高として、目立つ傷がなく非常にきれいな「A」、細かな傷があり使用感がある「B」、目立つ傷があり明らかな使用感がある「C」、液晶の割れなど激しい損傷・破損がある「J(ジャンク)」にランクづけされます。
 
機能面では、電源投入や充電、液晶の点灯状態、ボタン類の反応、バイブレーションやカメラ、SIMカード認識やWi-Fi接続などの機能面がチェックされます。
 
リユースモバイル・ジャパン(RMJ) 「リユースモバイルガイドライン 初版」
 
また、中古端末として流通させる際は、本体外装のクリーニングと専用クリーナー液を使った除菌仕上げなどが求められています。
 
ガイドラインでは、オンライン販売する際の表示イメージも示されています。
 
リユースモバイル・ジャパン(RMJ) 「リユースモバイルガイドライン 初版」
 

端末代金と通信料金「完全分離」義務化で中古スマホに脚光?

日本国内では、機種変更などで使い終わったスマートフォンは、キャリアの下取りに出されたり、ユーザーが手元に残す割合が高く、中古端末としての流通はあまり盛んではありません。
 
しかし、今年夏の施行が見込まれる電気通信事業法の改正により、端末代金と通信料金の完全分離が義務化されます。
 
これによって、長期間の通信契約締結を条件に最新iPhoneなどの高価なスマートフォンの端末代金を割り引く、従来主流だった販売手法が禁止され、端末価格が上昇すると、中古端末の需要が高まると予測されています。

日本でも中古スマホ流通活性化の兆し

MMD研究所が2018年12月に公開した調査結果によると、中古スマホの売却に「抵抗がない」は47.6%でしたが、中古スマホ購入に「抵抗がない」と回答したのは全体の25.7%にとどまっています。
 
中古スマホの購入に抵抗を感じる理由としては、「バッテリーの持ちが心配」が最多でした。

 
最近では、2月20日にはNTTドコモが、中古スマホのSIMロック解除にも対応を開始しているほか、中古端末の修理業者で作る業界団体がスマホ修理技術の資格を創設する計画も報じられるなど、日本でも中古端末の流通が活性化する兆しが見え始めています。
 
 
Source:リユースモバイル・ジャパン
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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