Appleなど、製造拠点を中国からインドに移転?輸出強化を政府に提言
Appleをはじめとするスマートフォンメーカー大手が、製造の拠点を中国からインドに移そうとしている、とReutersが報じています。インドで製造されたiPhoneが世界に輸出される日が近いかもしれません。
インドからの製品輸出推進へ
Appleも加盟している、スマートフォン関連の業界団体「The India Cellular and Electronics Association (ICEA)」は、インド政府に対して、今後は国内需要向けだけではなく、海外への輸出を促進することで国内産業を活性化すべきとする提言書を提出した、とReutersが報じています。
ICEAの狙いは、インド国外から輸入する電子部品にかかる関税を軽減し、インドから輸出する製品にかかる税金を軽くすることとみられます。
また、ICEAとしては、スマホに使われるタッチパネルの輸入関税を予定より早く引き上げる方針のインド政府をけん制する意図もあると考えられます。
インド国内で海外輸出向けの製造が行われれば、雇用拡大や産業の成長、貿易不均衡の改善につながり、インド政府にもメリットがあります。
インドで苦戦するiPhone
インド国内においては、台湾のWistronがiPhone SEとiPhone6sを製造しており、最近はiPhone7製造の認可も取得しています。
しかし、これら製品の出荷先は現在のところ、インド国内向けにとどまっています。
昨年末以降、Apple最大のサプライヤーであるFoxconnの幹部がインドを訪問予定との情報や、インドで最新型iPhoneの製造に向けて準備をしているとの情報が報じられました。
しかし、インドの物価水準からすると非常に高価なiPhoneは、シェア1%程度とインド市場では苦戦を強いられています。
進む「脱・中国」シフト
インド政府は国内産業育成のため、海外から輸入される携帯電話に高い関税をかける政策を2014年から導入しています。
この方針を受けてApple、Oppo、Samsungといった企業がインド国内向けの製造を開始した結果、インドは中国に次ぐ世界第2位の携帯電話生産国に成長しました。
Appleの主力サプライヤーであるFoxconnやPegatronも、製造拠点を中国以外のアジアの国々にシフトする動きを見せています。
一方、数多くの部品メーカーからの輸送費用などを考慮すると、Appleは関税が25%程度までは中国での製造を続けるのではないか、とも予測されています。
Source:Reuters
(hato)