世界スマホ市場、7−9月期は中国ベンダーがさらにシェアを拡大〜Gartner


 
2018年第3四半期(7−9月)における世界スマートフォン市場のベンダー別売上で、Huaweiなどの中国ブランドが対前年比でシェアを拡大していることがわかりました。特に2位のHuaweiは、首位Samsungへと大きく迫っています。

HuaweiとXiaomi除外なら5.2%減に

調査会社Gartnerによると、2018年第3四半期はHuawei、Xiaomiなどの中国ベンダーが貢献し、エンドユーザー向けの世界スマートフォン売上台数は対前年同期比で1.4%増の3億8,900万台となりました。
 
Gartnerのリサーチディレクターを務めるアンシュル・グプタ氏は「HuaweiとXiaomiを外したら、エンドユーザー向けの世界スマートフォン売上台数は5.2%減となっただろう」とし、機能向上したカメラと高解像度のディスプレイを搭載した低価格なスマホで、中国ベンダーが2018年第3四半期において新興市場での売上を大きく伸ばした、と述べています。

首位Samsungに迫るHuawei

表からもわかる通り、この四半期にもっとも出荷台数を増やしたのはHuaweiで、対前年同期比で43%増を記録しています。
 
一方首位のSamsungの出荷台数は、対前年同期比で14%減となり、Gartnerは「世界スマートフォン売上の調査を開始して以来の最大の下げ幅」と述べています。
 
Huaweiは長らく2位の座にあったAppleを抜き去っただけでなく、首位Samsungに迫る勢いです。
 

iPhone出荷台数はほぼ横ばい

AppleのiPhone出荷台数は前年同期からほぼ横ばい(0.7%増)でした。グプタ氏はAppleについて次のように分析しています。
 

9月に発表されたAppleの新しいフラッグシップモデルが、Appleの2018年iPhone売上全体を定める鍵となる。初期の調査ではiPhone XS Maxの売上台数がiPhone XSを上回っており、Appleがシェアを減らしている中国市場においては、このiPhone XS Maxが重要になると見ている。

5Gスマホの本格的な登場は2020年に

なお2019年に5G対応スマホの登場が期待されるものの、2020年まではそれほど多くの台数が売れることはないとし、Gartnerは2020年の5Gスマホ売上台数を6,500万台と見積もっています。
 
またSamsungHuaweiLGなどからの発売が見込まれる折りたたみスマホについては、当初は高額となり、また当面は使いやすさの点でさまざまな不具合が生じる可能性があると指摘。ベンダーが折りたたみスマホ向けの堅牢なソフトウェアのエコシステムを構築し、開発者が魅力的なソフトウェアを開発するまでにはしばらく時間がかかると予測しています。

 
 
Source:Gartner
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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