Snapdragon 855のベンチマークスコア登場〜iPhone XのA11と同等

多くのAndroidスマートフォンに搭載が見込まれる、QualcommのSnapdragon 855と思わしき次世代チップのベンチマークスコアが公開されています。
Qualcommの最上位チップ
多くのスマートフォンメーカーで採用されているSnapdragonシリーズの中でも、現行の最上位チップがSnapdragon 845です。845はSamsungのGalaxy S9/Note9シリーズ、ソニーのXperia XZ2シリーズ、XiaomiのMi8など、各メーカーのフラッグシップモデルに搭載されており、後継チップとなる855にも同様の役割が期待されています。
性能レベルを測る1つの指標として用いられるのがベンチマークスコアです。テストで課された特定のタスクをどれだけのスピードで完了させるかによって、最終的なスコアが決定されます。今回、Snapdragon 855らしきチップの数値として、Geekbenchに公開されたベンチーマークスコアでは、シングルコア(単純なタスクの処理能力)が3,697、マルチコア(複雑なタスクの処理能力)が10,469となっています。
1つ前の世代(現行世代)であるSnapdragon 845のスコアが、SamsungのGalaxy S9+に搭載されたものでシングルコア2,245、マルチコア8,106(※Geekbenchが公開しているチャートに基づく)であることを思うと、性能向上が際立っています。これは「IntelのPC向けチップであるSkylakeの9割に相当する性能を実現できる」とされる、ARM Cortex A76を採用していることも大きく関係しているのでしょう。
iPhoneに追いつくことはできるのか
ただし、2017年よりiPhone XやiPhone8/8 Plusに搭載されている「A11」は、シングルコアで4,243、マルチコアで10,433(iPhone X)という数値を叩き出しています。
もちろん、ベンチマークスコアだけでスマートフォンの性能が決定されるわけではありませんが、幅広いAndroidスマートフォンをカバーするために設計されたチップが、iOS製品のためだけに設計されたチップに追いつくのは難しいのも事実です。
なお、AシリーズをSnapdragonシリーズが追いかけるという傾向については以前、Geekbench創始者がAndroid陣営に対して「大幅な躍進がない。何が起こっているのか分からない」と苦言を呈しています。
Source:Geekbench[1],[2] via Twitter(Ice universe),EETimes
(kihachi)