米商務省、中国ベンダーZTEへの制裁を一時的に解除

ZTE Axon M

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ZTEは米国の北朝鮮とイランへの経済制裁を軽視したとして、米国企業からの技術の購入を7年間禁止される措置を受け、営業停止に追い込まれていました。ZTEの営業が再開されない場合、世界中で相当数の雇用が失われるため、米商務省が妥協案を提示し、ZTEがそれを呑むこととなり、輸出禁止措置の解除に向けて動き出していましたが、ついに一時的に制裁が解かれたことが明らかになりました。

輸出禁止措置により営業停止に追い込まれたZTE

中国ベンダーZTEが米国企業から技術を購入できなくなったのは今年4月のことです。米国の北朝鮮とイランへの経済制裁に反して、米国企業の技術を搭載したデバイスを両国へ輸出するだけでなく、関与した従業員に罰を与える代わりに、逆に賞与を与えたのが原因とされています。
 
ZTEは米国企業との取引禁止措置を受け、すぐさま解決策を模索していましたが、5月上旬に全営業の停止に追い込まれます。デバイスにQualcommなど多くの米国企業の技術を使用していたためです。
 
その後、トランプ大統領が「ZTEが迅速に営業再開できるように努める」との旨のツイートを配信し、すでに米商務省に対し問題解決に向けて動き出すよう指示を出したことを明らかにしました。
 
その間、中国最大規模のSNSサービスWeChatを提供するTencentのCEOが中国国内のチップ産業を推し進めると宣言するなど、海外企業に頼らないデバイス生産を目指す動きもみられました。

6月に入って解決の方向に向かい出す

6月になると、ZTEは最大で1,800億円の罰金を米政府に支払う見通しであることが報道され、ZTEの取引禁止措置の解除に向けて両者の同意が得られたことがわかりました。
 
最終的に米商務省は、ZTEが10億ドル(約1,098億5,000万円)の罰金を支払い、米国側が選ぶコンプライアンスチームを次の10年間設置し、今後何らかの違反があった場合に没収される預託金4億ドル(約439億4,000万円)を支払うことで、同社への輸出禁止措置を解除することに合意しました。
 
そして今回、ついに米商務省は7月2日から8月1日までの期間限定でひとまずZTEへの制裁を解除したと報じられました。制裁がいつ完全に解除されるかは明らかになっていませんが、関係者によれば、ZTEは8月1日までに米商務省の要求に応じる見込みであるとのことです。
 
 
Source:Bloomberg
Photo:Kārlis Dambrāns/Flickr
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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