iPhone登場から9年、とうとうスマートフォン市場は終わりつつある

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iPhoneが2007年に登場し、携帯のあり方に大きな革命を起こして以来、スマートフォン市場はひたすら拡大を続けてきました。しかし、iPhoneの登場から9年に差し掛かった今、市場はゆっくりと終焉しつつあるのかも知れません。

先進国のみならず新興国でも変化

iPhoneに限らず、ほぼすべてのスマートフォンがこの9年間、新しく、より良く、そして速くすることを一貫して追い続け、毎年のように前年を上回る成長を遂げてきました。しかし、ニュースサイトBusiness Insiderによれば、この「ブーム」はもはや終わりを迎えつつあるそうです。
 
調査会社IDCが新たに公開したレポートによれば、2016年のスマートフォン売り上げは14億6,000万台に達する見込みです。ところが、これは単年でみれば目を見張る数字ですが、成長率という観点でみれば、同台数は2015年からわずか1.6%増加したに過ぎません。なお2015年の売り上げ台数は、2014年から10.6%も増大しています。
 
明らかに売り上げペースが落ちている――この兆候はアメリカ、カナダ、日本、西欧といった先進国で特に顕著で、こういった国々ではスマートフォン市場は拡大どころかまもなく縮小の時期に突入するとIDCはみています。ならばそれ以外はどうか、と新興国に目を向けてもやはり、成長率は「落ち着いたもの」にとどまっています。

買い替える必要がないから買い替えない

一体どうしてこうなってしまったのでしょうか。IDCに言わせれば、答えは単純で「今あるスマートフォンに消費者が満足しているから」に過ぎません。
 
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もはや新たに購買するような人間は限られてしまっています。したがって、スマートフォンの買い替えを積極的に喚起させるのがベンダーにとっては急務であり、Appleが最近展開している「トレードインプログラム」や「アップグレードプログラム」は、まさにその一環と言えるでしょう。

完全に終わったわけではない

しかし、IDCはスマートフォン市場の将来について、完全に悲観しているわけではありません。SamsungのGear VRやGoogleのDaydreamといった新たなVR(仮想現実)技術のプラットフォームが、スマートフォンの需要を新たに喚起するのではないか、とIDCはみています。
 
VR技術は非常に高い処理能力を要求するため、同技術を享受するには、対応スマートフォンを入手する必要があります。事実、Googleも次世代Android OSにビルトインされたDaydreamを動かすには、現行のAndroidスマートフォンではスペック不足と指摘しており、新Nexus(名称は「Pixel」との情報もあり)を年度末にも発表するとしています。
 
またAndroid勢以外にも、AppleもVRやAR(拡張現実)に高い関心を持っていることが分かっていますし、2017年は「iPhone登場10周年」にあたるため、大規模なiPhoneのアップデートが行われるとも言われています。
 
はたして来年、スマートフォン市場“第2章”は始まるのでしょうか。
 
 
Source:Business Insider
(kihachi)

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