AppleがRISC-Vに精通した人材を募集~ArmからRISC-Vへ変更する布石?

RISC-Vチップの画像

RISC-Vチップの画像
 
Appleが独自開発しているチップはすべてメインCPUとしてArmアーキテクチャを採用しています。しかしながら、ArmアーキテクチャはArm社が開発しているものであり、使用にはライセンス料が必要です。
 
そんななか、Appleがオープンソースアーキテクチャでありロイヤリティフリーで利用できるRISC-Vアーキテクチャに精通した人材を募集していることがわかりました。これはAppleがArmからRISC-Vへとアーキテクチャを変更する布石なのでしょうか?

ライセンス料不要で使えるRISC-Vアーキテクチャ

RISC-Vアーキテクチャは、カリフォルニア大学バークレー校のRISCプロジェクトを起源とするCPUアーキテクチャです。
 
その最大の特長は、RISC-Vの命令セットを持つプロセッサの設計や、設計したものを販売するのにライセンス料が発生しないという点にあります。
 
スマートフォンやタブレットで広く使われているArmアーキテクチャはArm社が開発したものであり、利用にはライセンス料が発生します。
 
また、NVIDIAによるArm社の買収により、今後のArmアーキテクチャの方向性が不透明になっていることもRISC-Vの注目度が増している理由の1つです。
 
RISC-Vに関しては、Intelも同社のプラットフォームに採用することを発表しています。

AppleがRISC-Vアーキテクチャに精通した人材を募集

そんななか、AppleがRISC-Vアーキテクチャに精通した人材を募集していることがわかりました。
 
募集しているのはプログラマーで、RISC-Vに対する知識のほかにARM CPUコアに搭載されているNEONマイクロアーキテクチャに関するベクトルプログラミングの知識も求められています。

AppleがRISC-Vアーキテクチャにすぐに乗り換える可能性は低い?

AppleはiPhoneのAシリーズ、MacのMシリーズ、Apple WatchのSシリーズなど、Armアーキテクチャを使ってさまざまなカスタムCPUコアを設計しています。
 
これらすべてにArm社に対するライセンス料が発生するため、ライセンス料不要のRISC-Vアーキテクチャに乗り換えることで、Appleは利益率の向上が可能です。
 
ただし、今回の仕事を募集しているのはMac、iPhone、Apple Watch、Apple TVなどの製品の組み込みサブシステムを設計するAppleのVector and Numerics Groupです。
 
このため、各種端末のメインプロセッサではなく、AI処理などのアクセラレーターでRISC-Vが採用されるのかもしれません。
 
また、一般にCPUアーキテクチャの変更には長い時間が必要です。
 
MacをIntelのx86アーキテクチャからArmアーキテクチャに切り替えたばかりということもあり、すぐにAppleがArmアーキテクチャを捨ててRISC-Vアーキテクチャに乗り換えることはないだろうとみられています。

 
 
Source: Apple, CNET via 9to5Mac
(ハウザー)

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