iPhoneから「ピエロ」絵文字が消滅とのデマ、米で拡散される

Apple iPhone 絵文字 ピエロ

Appleが政治的な理由で「ピエロ」の絵文字を削除しようとしている、というXの投稿が、次期大統領選挙を控えたアメリカで拡散され、話題となっています。しかし、投稿に添えられたスクリーンショットは捏造された偽物で、情報は完全なフェイクニュースです。

目次

拡散されたフェイクニュース

Appleが政治的な理由で「ピエロ(英語ではclown)」の絵文字を次のソフトウェアアップデートで削除しようとしている、との情報が、米大手メディアCNBCニュースのスクリーンショットとともにアメリカで出回りました。

画像には「次のApple製品のアップデートでピエロの絵文字が削除へ:この絵文字は極右勢力の暗号として使われていると情報筋」とのタイトルが踊っています。

フェイクニュース CNBC

しかし、この画像は捏造されたもので、Appleがピエロの絵文字を削除する計画もなく、根も葉もないフェイクニュースです。

確かめるために記事タイトルを検索してもヒットしないことで、信憑性のある情報ではないことは簡単に見破れるはずですが、多くの人がスクリーンショットを間に受けて拡散に加担してしまったようです。

トランプ氏支持者コミュニティが発信源か

Appleがピエロの絵文字を特定の政治思想のために削除する、という情報は、大手メディアのスクリーンショットによって説得力を感じた人々によって拡散されました。

この画像は、次期アメリカ大統領の候補者、ドナルド・トランプ氏の支持者コミュニティに投稿され、Xを通じて短期間に広く拡散されたとみられています。

なお、アメリカなどでピエロの絵文字は、相手の主張をばかばかしいと嘲笑するような意味合いで使われるものの、特定の支持政党や政治思想を表す意味合いはないそうです。

実在の記事を改変して捏造されたスクリーンショット

拡散されたCNBCのニュース画像は、実際に投稿されたニュースのタイトル部分を差し替えて捏造されたものであり、CNBCもこの記事を公開した事実はないと否定しています。

記事の初回投稿日時、記者の名前は実際の記事のものがそのまま使われています。

CNBC ニュース(本物)

フェイク画像ではテクノロジー記事とされていますが、元の記事はレストラン業界の記事であり、執筆したケイト・ロジャース記者はレストラン業界の専門記者です。

ちなみに、捏造の素材として使われた記事は、ピエロのキャラクターを広告に使っているマクドナルドが、5ドルのセットメニューを期間限定で提供することを報じたものです。

絵文字の削除はレアケース。「ピストル」は「水鉄砲」に変更

日本で生まれて、現在では世界中で「Emoji」として親しまれている絵文字は、業界団体Unicode Consortiumによってルールが決められています。それぞれの絵文字のデザインは、AppleやGoogle、Microsoftなどの各社に委ねられています。

絵文字が削除された非常に珍しいケースとして、2016年に「ライフル」の絵文字が削除されています。銃乱射事件が連続して発生した当時、「ライフル」の削除はAppleが提案し、テクノロジー業界各社も賛同したと伝えられています。

また、2016年には、「ピストル」の絵文字が、iOSでは「水鉄砲」に差し替えられています

2023年には、メガネをかけて前歯が出ている「オタク顔」の絵文字をリニューアルするよう、イギリスの少年が嘆願活動をしていることが話題となりました。

Source: Politifact, CNBC, AppleInsider, PhoneArena

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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