EUを飛び出しても安心、iOS17.4サイドローディングの新ルール
iOS17.4では、欧州連合(EU)域内においてのみApple Store以外からアプリをiPhoneにダウンロードできるサイドローディングが可能となっています。Appleは現地時間5日付けで新たなサポート資料を公開し、「EU域内でサイドロードされたアプリはデバイスがEU域外に出たときどうなるか」を明記しています。
代替アプリストアの利用条件は?
iOS17.4からEU域内で有効になっているサイドローディングは、EUで施行されたデジタル市場法(DMA)を受けてのものですが、ユーザーがEU域外に移動したとき、アプリはどうなるのでしょうか。
まず、代替アプリストアの利用条件ですが、EUのApple IDを使用しており、かつ物理的にEU域内にいることとのことです。
ユーザーによっては、頻繁な移動が求められる仕事に就いている人もいるため、Appleは「猶予期間」を設けていると以前述べていましたが、今回の資料で具体的には「30日間」であることが判明しました。
すなわち、ユーザーがEUを離脱する期間が1カ月以内であれば、Apple Store以外からダウンロードしたアプリのアップデートを受け続けることができるということになります。
ユーザーの中には30日以上EU域から離れないといけないという人も多々存在するため、不満が噴出する可能性もありそうです。
Appleはサイドロードされるアプリもレビューを継続
EU域内で代替アプリストアからのアプリダウンロードが可能になるといっても、Appleはユーザー保護をいっさい放棄するというわけではありません。サイドロードされるアプリも、継続して自動化されたレビューと人間によるレビューが行われることがわかっています。
ただし、代替アプリストアのレビューはApp Storeほど厳正なものではなく、特にコンテンツやビジネス慣行については全く審査されることはないため、App Storeガイドラインでは禁止されているギャンブル、アダルトコンテンツなどを含むアプリが出回ることもあるでしょう。
セキュリティ専門家はアプリのサイドローディングを行わないことがセキュリティ上最も推奨されると述べていますが、あくまでも自己責任の領域になってきそうです。
Photo: PhoneArena