Apple参戦で折りたたみスマホ市場活性化？世界出荷シェア1.4%からの逆転

世界の折りたたみスマホ出荷台数は、2023年はスマートフォン全体の1.4%にとどまっており、2024年には前年から11%増えるもののスマートフォン全体の1.5%に過ぎず、成長スピードは期待を下回る、との予測を調査会社TrendForceが発表しました。以前から開発中と噂される折りたたみiPhoneが、今後の折りたたみスマホ市場の成長の鍵を握るかもしれません。

2024年の世界折りたたみスマホ出荷は1,770万台

TrendForceによると、世界の折りたたみスマホ出荷台数は2023年に1,590万台で、前年比25％増加しましたが、その割合はスマートフォン市場全体の1.4%に過ぎません。

2024年には、出荷台数は1,770万台へと対前年比11％増加するものの、スマートフォン全体の1.5%を占めるにとどまり、成長のスピードは業界の予測を下回っています。

折りたたみスマホがスマートフォン市場でシェア2%を獲得するのは2025年以降だろう、とTrendForceは予測しています。

折りたたみスマホが売れない2つの理由

折りたたみスマホの出荷台数が伸びない要因として、TrendForceは以下2つが考えられると指摘しています。

1. 初めて折りたたみスマホを購入したユーザーが頻繁にメンテナンスに関する問題に直面するため、製品に対する信頼感を失い、買い替える際は一般的なハイエンドスマートフォンを選択している。
2. 現在の折りたたみスマホの価格帯は消費者が手を出しにくく、価格設定によって販売目標を達成するのが難しい。

TrendForceは今後の折りたたみスマホ市場について、主要部品の大量生産や、ディスプレイパネルサプライヤーの主流が現在の韓国メーカーから中国メーカーに移ることによるコスト低下によって販売価格が下がり、市場への普及が進むのではないかとの見通しを述べています。

ブランド別シェアではSamsungがトップ独走

2023年のブランド別出荷台数シェアでは、Samsungがシェア66.4%を獲得し、2位のHuawei（シェア11.9%）や3位のXiaomi（同5.3%）に大差をつけてトップの座を維持していいます。

2024年も上位3ブランドによる寡占が続くものの、Samsungは60.4%へとシェアを落とす代わりにHuaweiが19.8%へとシェアを伸ばすと予測されます。

なお、OPPOやVivoは、縦型の折りたたみスマホの計画を延期し、大型の横型折りたたみデバイスの開発に注力するとみられています。

注目されるAppleの動向、折りたたみiPhoneはどうなる？

注目されるのは、折りたたみiPhoneの開発を進めているとの噂があるAppleの動向です。

TrendForceは、Appleが折りたたみスマホ市場に参入する可能性が、折りたたみスマホ市場の大幅な成長を後押しする、と見ています。

iPhone Maniaで何度かお伝えしているように、Appleは折りたたみiPhone製造に向けた検討を進めている模様ですが、部材の耐久性が基準を満たさないため計画が中止されたとの情報や、Apple初の折りたたみデバイスはiPhoneではなくiPadやMacになる、との情報もあります。

Photo:TrendForce, 4RMD/YouTube