Touch ID、Face IDに次ぐ第三の革命「Optic ID」
Appleの複合現実(MR)ヘッドセットVision Proが2日米国で発売に至りましたが、同機では新たな認証システム「Optic ID」が導入されています。Optic IDはAppleの3番目の生体認証となります。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. AppleのMRヘッドセットVision Proで新たな認証システム「Optic ID」が導入された。
2. 安全な近赤外光で眼球を照らし、眼球カメラで虹彩の画像を撮影する。
3. 認証の際、登録された生体データとユーザーの虹彩が一致するかが判断される。
データはSecure Enclave内で処理
2013年に導入されたTouch IDは指紋により生体認証を行うものですが、2017年にiPhone Xで顔認証Face IDが新たに導入されました。
Face IDは最新のiPhoneでもデフォルトの認証システムとなっていますが、Vision Proでは虹彩認識「Optic ID」が新たに導入されています。
Optic IDは、安全な近赤外光で眼球を照らし、眼球カメラで虹彩の画像を撮影します。この虹彩の画像データはSecure Enclave内で保護されているApple M2チップのニューラルエンジンの一部で処理されます。認証の際、登録された生体データとユーザーの虹彩が一致するかが判断されます。
Optic IDは認証に成功する度に登録されたテンプレートを更新するようになっており、虹彩の可視部分や瞳孔の大きさが変化するような様々な照明条件下でも、性能が次第に向上していくよう設計されているとのことです。
偶然一致する可能性は100万分の1以下
Optic IDで無作為の人物がVision Proのロック解除できる可能性は100万分の1以下であるとのことで、高度なセキュリティが期待されます。
Optic IDは、Touch IDおよびFace IDが対応するアプリで動作し、App Storeでの購入やApple Payでの支払いなどの認証に使うことができます。
Touch IDは今でも根強い人気
Touch IDはiPhoneではiPhone SE(第3世代)のみの搭載となっていますが、ここ数年新たなモデルの噂が出る度にTouch IDの復活の望む声がどこかから上がってきます。
もしTouch IDが最新iPhoneに搭載されるとすれば、画面内埋め込み型になるといわれていますが、iPhone15シリーズでも非搭載となっていたため、今後の復活は絶望的との見方が強くなっています。
Photo:@theapplehub/X, Patently Apple/YouTube
(lexi)