AppleのTrade Inプログラムを支えるAlchemyとは〜下取り後どうなる?

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Appleで新しいデバイスを新規購入する際、下取りオプションの選択が可能となっていますが、Trade Inプログラムに出されたデバイスはどのように処理されるのでしょうか。テックメディアTNWがその詳細を伝えています。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. Appleの下取りに出されたデバイスはどのように処理されるのか。
2. Appleと契約する企業のひとつであるAlchemyのプロセスを紹介。
3. iPhoneの価値が落ちにくいことが、リユースに大きく貢献しているようだ。

大きな盛り上がりを見せる中古市場

2022年、世界全体での電子ゴミ(E-waste)の総量は、フランスのエッフェル塔5,000本に相当する5,000万トンだったことがわかっています。
 
Appleを含める電子機器メーカーはそんな状況の中でも常に新製品の販売を行っていますが、中古デバイス市場が過去にないほどの賑わいを見せているのも事実です。中古品市場は小売全体の20倍の速度で成長しており、2025年には1,200億ユーロ(約19兆809億円)規模になると予想されています。
 
そんな中、今回スポットライトが当てられているのは、AppleのTrade Inプログラムの背後にあるAlchemyという企業です。2017年に創業されたアイルランド企業は、3年前にAppleとの契約を取り付けることに成功しており、現在は日本でも下取り事業を行っています。

最初の作業は個人データの削除

下取りに出されたiPhoneに対してAlchemyが最初に行うのは、非常にセンシティブな個人データの削除作業です。特別なソフトウェアを使用し、デバイスを工場出荷時の状態に戻すそうですが、このプロセスに関してAppleから6カ月に一度監査を受けているとのことです。

診断ツールで修理する価値があるかを判断

その後、「Jupiter(ジュピター)」と呼ばれる診断ツールでそれぞれのデバイスにどのような問題があるかを詳細に確認し、修理することによって経済的な意味をなすかどうか判断するそうです。
 
例えば、バキバキに壊れているiPhone8などは、Appleのリサイクルロボット「Daisy」でのパーツの回収にまわすといった具合です。

99%のデバイスが再生品に

Alchemyが取り扱うデバイスの中でリサイクルとなるのはわずか1%以下で、99%は世界中にある自社施設で再生品へと生まれ変わるそうです。米マイアミの最も新しい施設では、毎月60,000台のデバイスが処理されているといいます。
 
一度再生されたデバイスは、Alchemyの自社マーケットプレイスLoop Mobileや、Amazon、Walmart、Back Marketなどで販売が行われるとのことです。

iPhoneの素晴らしいところは価値が落ちにくいこと

すでに6年前のデバイスとなったiPhone8でさえも、再生品が毎日15,000台は売れているとのことで、iPhoneの価値の落ちにくさが、リユースに大きく貢献していることが伺えます。
 
 
Source:TNW
Photo:Apple
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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