Appleが無線チップの研究開発センターを拡張〜自社開発をさらに加速

アーバイン 研究開発センター apple

アーバイン 研究開発センター apple
 
米カリフォルニア州南部のアーバインに位置する、Appleの無線チップ研究開発センターがオフィスを拡大する予定です。これまで取り組んできたワイヤレス技術の独自開発ペースを、さらに加速させたいAppleの狙いがうかがえます。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 無線チップの研究開発センターを拡張へ。
2. 以前からAppleは同分野でも自社開発に意欲を示してきた。
3. 2025年にはiPhoneも自社製チップに置き換えか。

アーバインは半導体企業のメッカ

Appleが新たに契約を結んだのは、2021年末に設立したワイヤレス研究開発センターのオフィスから車で2分ほどの場所で、2023年12月から入居が予定されています。
 
本社Apple Parkの所在地からは約1,000キロメートル離れていますが、アーバインにはQualcommやSkyworks Solutionsといった、半導体サプライヤー大手が軒を連ねています。
 
オフィスの拡張にあたって、新たにAppleはハードウェアエンジニアや無線周波数集積回路(RFIC)技術に詳しい研究者のほか、BluetoothやWi-Fi向け半導体の自社開発に長けたエンジニアなどを募集しており、無線チップの独自開発を推し進めていることが分かります。

2025年には自社開発のチップに変更か

自社開発チップとしてすっかりお馴染みとなった、“脱Intel”の「Appleシリコン(Apple Silicon)」だけでなく、iPhoneのワイヤレスチップについても、Appleは自分たちでコントロールしようと考えていることが数年前から報じられてきました。
 
今秋登場予定のiPhone15や、2024年のiPhone16(いずれも仮称)には間に合いそうもないものの、2025年までには、Qualcomm製の5G通信向けモデムチップや、Broadcom製の無線通信チップなどを自社開発のものに置き換えていくと予想されています。
 
また2023年1月には、これらの5GモデムやWi-Fi/Bluetoothチップを一つのパッケージに統合するとの観測も浮上しており、今回の研究開発センター拡張によって、改めてAppleのこうした壮大な独自開発プロジェクトの存在が裏付けられた格好です。
 
 
Source:AppleInsider,Irvine Companies
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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